Jリーグ欧州スタジアム視察2014
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Ⅳ‐1.1.FSVマインツ05 Jリーグ欧州スタジアム視察2014報告書 (2014年2月8日(土)~16日(日)) 40 メインスタンドと フルカバーの屋根 か?」と熟慮を重ね、取捨選択をしたとのことであった。 「スタジアムのイメージ・構想」 ①何かが起こるという期待感 ②チームのイメージと合致するデザイン ③低コストでありつつも、モダンスタジアムであること ◆特徴 形状は前述の通り、4つの独立したスタンドのいわゆる「イングランド風箱型スタジアム」であり、芝の生育管理を考慮し、スタンド間の角を風通し良く設計している。しかしながら、建設コストを抑える為、すり鉢状に5.5m掘り下げた構造となっており、ピッチは地下2階に位置するため、芝のメンテナンスには手がかかるとのこと。 フルカバーの屋根にはソーラーパネルが設置されており、作られた電力はスポンサーである電力会社に一旦売却し、それを再度購入してスタジアムの電力として使用。屋根の建設費用は通常よりコストを抑え€200万(2億3,800万円)とのこと。屋根の1/3は自然光が入る透明の造りとなっており、また歓声がピッチへ跳ね返るよう、音の響きにも配慮している。 *当時のレート €1=119円 また、メインスタンド内にVIPエリア、チームエリア、オペレーション、セキュリティ、そしてクラブオフィスなど全ての機能を集中させている。 ◆観客席 メインスタンドは全て、ラウンジやボックス席の特別エリアとなっている。 メインスタンドからピッチに向かって右側サイドスタンドは、ホームサポーターエリアの立見席であり、アウェイサポーターエリアは左側バックスタンド寄りコーナーの一角となっている。両エリアとも国際試合の際はホーム側6,000席、アウェイ側1,000席の座席が取り付けられる構造となっている。 両サイドスタンド及びバックスタンドはともに入場ゲートから階段を使わずにスタンドの1層目と2層目の間に位置する通路に通じている。それによりゲートと座席のアクセスがスムーズであり、特に年配者や障がい者には優しいスタジアムと言える。階段が少なく、余分な構造物も無いため、建設コストや維持管理コストも抑えることができている。 スタジアム全景 広々としたコンコース 入場ゲートからスタンド 内までフラットな導線 ©2014.1.FSV Mainz 05.

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