Jリーグ欧州スタジアム視察2014
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Ⅳ‐1.1.FSV マインツ05 Jリーグ欧州スタジアム視察2014報告書 (2014年2月8日(土)~16日(日)) 39 3.市営スタジアムの概要 (1)スタジアム建設 以前にホームスタジアムとして使用していたブルッフヴェクシュタディオン(Bruchwegstadion)(1929年建設)では、改修を繰り返して試合が行われてきたが、老朽化と収容人数(20,300人)が少ないことを理由に、現スタジアムが新設された。 建設用地を選定するにあたり、16ヶ所の候補地から金銭的条件面を主な理由として現在の場所を選択した。 スタジアム建設にあたっては、スタジアム本体の建設費の内、€3,250万(38億250万円)をマインツ市が出資、€750万(8億7,750万円)をクラブが出資した。 また、付帯工事及びインフラ整備費€2,000万(23億4,000万円)をマインツ市とラインラント・プファルツ州が負担した。 *当時のレート €1=117円 運営管理はクラブ(1.FSVマインツ05)が年間使用料*1として€330万(4億6,200万円)を支払うが、命名権を取得したコファス社(フランスの取引信用保険会社)からの年間€150万(2億1,000万円)のネーミングライツ料はクラブの収入となっている。 *1ブンデスリーガ2部の場合の使用料は、 €230万(3億2,200万円) (2)ロケーション 旧スタジアムは住宅地の中にあったが、現スタジアムは3km程、街の中心部に近い場所に位置している。最寄り駅であるマインツ中央駅からバスで所要10分のアクセスであり、決して好条件とは言い難い。周辺は田畑に囲まれた土地であり、その中にライトアップされたスタジアムがそびえ立つ風景は一種異様とも見える。 来場者の交通手段はシャトルバス(当日のチケット所有者は乗車無料)の他、乗用車(駐車券付きチケット購入者)*2のみ。視察当日もスタジアムへ向かう車のテールランプが長い列をなしていた。 駐車場は現在、1,100台分あり、将来的には6,000台分のスペースを確保したいとのこと。 *2ビジネスシートを2枚買うと、駐車券が付く。 (3)ファシリティ ◆ コンセプト 「4つのスタンドと1つのピッチ」 スタジアムを設計するにあたり、CEOブリュームライン氏曰く、「2年かけてブンデスリーガのみならず、イングランドプレミアリーグのスタジアムほぼ全てを視察した」とのこと。 4つの独立したスタンドとフラットな形状の屋根は、まさしくイングランド風である。視察したイングランドのスタジアムの良いと思う機能を採用しつつ、「何が自分たちにとって本当に必要なの試合の無い日も含め、毎夜LEDでライトアップされる ©2014.1.FSV Mainz 05. ©2014.1.FSV Mainz 05.

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