Jリーグ欧州スタジアム視察2014
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Ⅲ‐1.ダービー・カウンティF C_ Jリーグ欧州スタジアム視察2014報告書 (2014年2月8日(土)~16日(日)) 24 ホームクラブ概要 (Derby County Football Club) 【リーグ】 Sky Bet Championship (イングランド2部) 【創設】 1884年2月6日 【ホームタウン】 ダービー (人口:248,700人/2011年時点) 【スタジアム】 The iPro Stadium (アイプロ・スタジアム 通称「プライドパーク」) 33,010人収容 *iPro=iPro Sport (スポーツ飲料メーカー) 完成: 1997年7月18日 / 建設費: £2,800万(53億4,800万円) 【平均入場者数】 23,228人 (2012/13シーズン) 【タイトル】 リーグ優勝2回(1971/72、1974/75)、FAカップ優勝1回(1945/46) 1.集客力のある創部130周年の古豪クラブ (1)2部で群を抜く集客力 ダービー・カウンティの黄金時代は、いまから40年前。1970年代にリーグタイトルを2回獲得し、1972/73 UEFAチャンピオンズリーグでは準決勝まで進出した。 しかし、1980年に2部に降格すると、その後は1部と2部を彷徨い、時には3部も経験。現在も「ビッグタイトルには縁のない2部の中堅クラス」に定着している。 ところが、2部でも平均入場者数は、2万人を下回ったことがない。昨シーズンも2部のリーグ平均17,504人を大幅に上回り、年によっては平均29,000人を越えることもある。常に安定した集客力を持つ古豪といえる。 2014年3月には21歳以下のイングランド代表対ウェールズ代表戦も開催されるダービー・カウンティのホーム、プライドパーク。本視察に於ける英国での最初の訪問地では、その集客成功の秘訣を探ることにした。 (2)至便の地にホームスタジアムを移転 クラブは、1885年から「ベースボール・グラウン ド」(野球場ではない)をホームとして使用していた が、フーリガン対策のテイラー・レポートによる基準 を満たせなかったため、1996年に移転を決意。 ベースボール・グラウンドはダービー駅から西へ1.8km、徒歩22分の場所にあったが、新スタジアムは、駅から東へ1km、歩いて13分の国道沿いという一層利便性の高い立地に建てられた。 当時のコストは£2,800万(53億4,800万円)。 今なら、約5倍の£1億5,000万(286億5,000万円)ぐらいかかるといわれる。 *当時のレート:£1=191円 (3)行政から建設補助金 クラブの自前ながら、行政からスタジアム建設の補助金を受けている。20年前、当該エリアは広い更地で、行政の再開発プランにクラブが乗った形である。 Ⅲ.イングランド 1.アイプロ・スタジアム(ダービー・カウンティFC) 2014年2月13日訪問 佐藤 仁司 (Jリーグ) © AEROFIRMS GUIDE FOOTBALL GROUNDS, Ian Allan Publishing Ltd

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