Ⅱ-3.FCルツェルン Jリーグ欧州スタジアム視察2014報告書 (2014年2月8日(土)~16日(日)) 22 また、場内の売店は年間チケットカードでキャッシュレス対応が可能となっており、場内売店、場外売店、隣接するショッピングセンターだけではなく、各スタンドに2名ずつ配備される係員によってチャージをすることができる。 セキュリティルームは見晴らしの良いメインスタンド上層にあったが、セキュリティルームの横にガラス一枚で隔てた場内放送室があり、有事の際に迅速に館内放送が可能なレイアウトとなっていたことは参考になった。 また、スタンドの下には、スタッフ用のインナー導線もあり、最短距離でスタジアムを一周できるのも印象的であった。 その他のスタジアムに関する諸情報は下記の通りである。 チーム更衣室8室(内ユース用6室)、室内ウォームアップエリア2つ(各100㎡)、入場券売り場15ヶ所(場外)、場内売店10ヶ所、場内モニター数112、スピーカー数900、放送用のスタジオ完備、視覚障がい者向けにラジオ放送付の座席あり。 (4)収益を生み出すラウンジスペース スイスシュポル・アレナはメインスタンド上層が全てラウンジ付のホスピタリティシートとなっている。 チケット収入の50%弱が、収容人数の10%強に満たないラウンジ周りの席種からであり、安定的な収入源となっている。一般席はチーム状況や対戦相手によって売れ行きが上下するが、ホスピタリティシートは勝敗に関わらず80%以上の着券があるとのことで、試合観戦というよりは「地域の社交場」として機能している。ミドルクラスの「ビジネスラウンジ(620席)」(CHF 4,500~7,500(51万3,000~85万5,000円/年)で85%が、ハイクラスの「プレジデンツクラブ(120席)」(CHF1万(114万円/年)で90%が年間席として販売済みであり需要の高さが伺える。 また、これらのラウンジはノンマッチデーにおいても多く利用されており、「ホテルより大きく、展示会場(隣接するメッセ)より小さく、法人の会議やパーティーに最適な大きさ」であると説明を受けた。訪問時もSIGA社という企業がピッチ利用(キックターゲットなど)も含めたラウンジ利用をしており、セットアップされたテーブルには企業のロゴ入りの席札が置かれるなど一流ホテルのような、きめ細やかで洒落た演出がされていた。 ワンタッチパスと同じ非接触型ICカードは電子マネー付 スタンド下に通るスタッフ用の通路 ガラス張りのVIPラウンジからピッチを臨む
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