Jリーグ欧州スタジアム視察2014
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Ⅱ-3.FCルツェルン Jリーグ欧州スタジアム視察2014報告書 (2014年2月8日(土)~16日(日)) 19 以上の2点が、地元行政からの支援を得られる理由であり、政治とスタジアム、政治とクラブの関係は非常に良好である。加えて、スタジアム関連で125人の雇用創出をしていることも、約8万人という人口の街においては大きな役割を果たしているとのことであった。 一帯の開発にあたっては、スイスシュポル・アレナに隣接する2棟のタワーマンション(30階建てと33階建て)の敷地を市が、CHF3,200万(約31億円)でクレジット・スイス社に払い下げをすることで初期資金を創出。再開発の全体予算はCHF9億(864億円)の一大プロジェクトであり、開発に合わせて市街地からのトラムの敷設も行われた。今後も更なる整備が行われることになっており、より充実したスポーツゾーンとなることが予定されている。 *当時のレート CHF1=96円 (2)スタジアム周辺の施設に関して スタジアムの敷地には、前述の2つのマンションに加えて、サッカーコート(12面、うち3面は人工芝)、テニスコート(6面)、屋内プール、陸上競技場、フィットネスジム、ショッピングセンター、展示会場が隣接しており、市街地からのトラムとバスの停車駅が徒歩圏内に整備されている。 今後は、ジョギングコースやハイキングコースに加えて、FCルツェルンの育成組織の寮やトレーニンググラウンドの建設も予定されており、行政の強力なバックアップの下、さらなる環境の充実が図られていく計画である。 <屋内プール> 運営形態としては市営プールであり、子ども用も含めて5つのプールと、2つの飛込用プールが存在する。日本のように学校がプールを所有していないため、学校の授業でも利用されている。訪問時も、水泳の授業が真冬にも関わらず室内で行われており、小学生が水泳を楽しんでいた。 利用者数は年間23万人であり、1日の平均利用者数は900人。元来より、ルツェルン市には温水プールが少なく市民からも要望が上がっていたため建設されたとのこと。 FCルツェルンとの関係としては、選手がリハビリなどで利用する程度であり、特別な優遇処置はな荘厳なピラトゥス山の麓にスポーツ公園が広がる サッカースタジアムを中心に広がる施設群 真冬でも子どもの笑顔が弾ける屋内プール

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