Ⅱ-3.FCルツェルン Jリーグ欧州スタジアム視察2014報告書 (2014年2月8日(土)~16日(日)) 18 ホームクラブ概要 (FC Luzern) 【リーグ】 Raiffeisen Super League (スイス1部) * Raiffeisen=ライファイゼン銀行 【創設】 1901年8月12日 【ホームタウン】 ルツェルン (人口 79,478人/2012年12月時点) 【スタジアム】 Swissporarena (スイスシュポル・アレナ) 17,000人収容 (14,000席+立見3,000席) 完成: 2011年7月31日 / 建設費: CHF7,960万(76億4,160万円) *1934年に建てられたStadion Allmend(アルメンド・スタジアム)(13,000人収容) を2009年に全面建て替え 【平均入場者数】 12,369人 (2012/13シーズン) 【タイトル】 リーグ優勝1回(1988/89)、カップ戦優勝2回(1960, 1992) 1.クラブに関して 中央スイスのシンボルとして スイスの中央部、ルツェルン州の州都ルツェルンを本拠地とするサッカークラブチームである。 風光明媚なルツェルンは、スイス7番目の都市でもある。中央スイスにはプロスポーツチームがFCルツェルンも含めて2つしかないため、地元からの注目度は非常に高い。 クラブカラーの青と白の2色は、本拠地であるルツェルン州の州章の色。 スイスリーグ優勝1回、スイス・カップ優勝2回の由緒あるクラブだが、2部リーグへ降格するなど低迷期もあった。2006-07シーズンに1部へ昇格後は7シーズンに亘り1部へ踏みとどまり、中位から上位への飛躍をうかがっている。 スイスリーグでは、サッカークラブは株式会社であることがルール化されているが、FCルツェルンはスタジアム運営会社の傘下にあたる株式会社であり、スタジアム運営会社から「出演料」という形でホームゲーム収入の一部が支払われるスキームとなっている。 それぞれの社長は同一人物であるが、スタジア ムとクラブの“主従の関係”が一般的な欧州クラブと逆の構図である点は、ベルンと同様であった。 2.スタジアムについて (1)市の再開発計画の一環 FCルツェルンの本拠地であるスイスシュポル・アレナの立地する一帯は、市の公園地帯の中に存在しており、都市公園開発の一環としてスタジアムの建設が行われた。FCルツェルンは中央スイスでは数少ないプロスポーツチームとして、行政からも存在を高く評価されている。 理由としては2つ。1つは、税収源としての評価である。マッチデー、ノンマッチデーを問わず、スタジアムからの収益の10%が税収として自治体へ収められており、貴重な財源となっている。中央スイスでは、年間20~25回に亘り、定期的に1万人規模を集客できるイベントは数少ないとのこと。 2つ目の理由は、地元の青少年育成への貢献に寄与していること。こういった環境を提供していることは、スポーツをすることで心身ともに健全に育つきっかけとなるとして評価されている。 Ⅱ.スイス 3. スイスシュポル・アレナ (FCルツェルン) 2014年2月12日訪問 小島 陽介 (大宮アルディージャ)
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