Jリーグ欧州スタジアム視察2014
12/63

Ⅱ-1.FCバーゼル Jリーグ欧州スタジアム視察2014報告書 (2014年2月8日(土)~16日(日)) 11 1954年にスイスワールドカップが開催された旧スタジアムは、老朽化により1998年に解体されたが、 2001年に旧スタジアムと同一地に現在のスタジアムが建設された。 収容人数は、完成当初の34,000人から、UEFA EURO 2008の開催に合わせ42,500人に拡張され、その後スタジアムからの避難ルートを考慮し、1箇所の出口から450名の人数が1~2分で避難できる限界人数となる38,512人(UEFAチャンピオンズリーグ時は36,000人)を現在の収容人数としている。 UEFA大会では立見席が禁止されているため、床から座席を引き出して設置する仕組みだが、この椅子の取り付け・収納は直前の試合後に500人のサポーターが30分でやってのけるという。 スタジアム1階と地下にはスイス北西部最大級の大型ショッピングセンター(50店舗)がある。ピッチ半面の地下は駐車場。メインスタンドには高齢者用住居(107室)、サイドスタンドの裏手にはオフィスビルが隣接整備されている。いずれもスタジアムのテナント扱い。試合日はショッピングセンターは休館となる。 (2)すべての公共交通機関でアクセス あらゆる手段でアクセスが可能な立地にある。 スイス国鉄(SBB)バーゼル中央駅から僅か300mの所にある「Aeschenplatz」よりトラムで約10分、「St.Jakob」電停。その他、バスでも来場が可能で、バックスタンド裏には高速道路も通っている。 試合の日は、バックスタンドに直結するSBB「Basel St.Jakob」臨時駅が使用され、アウェイの街から応援列車を直行させることもあるそうだ。 (3)土地は市、建物は民間、運営はクラブ スタジアムの土地は市が所有し、施設自体は民間(バーゼルユナイテッド社)所有となっている。施設の経営権も保有しており、運営も同社が行っていたが、2014年1月から、スタジアム運営はFCバーゼルが直接行えることになった。 また、クラブ経営についても、バーゼルユナイテッド社によりスタジアム経営とともに一体的に行なわれており、FCバーゼル及びその試合運営が最優先事項として位置づけられている。 (4)その他の特徴 <スタジアム内施設> スタジアム内には中継スタジオ、メディアセンター、ビジネスラウンジが有り、試合時における利用は勿論のこと、試合日以外にもラウンジをパーティー会場として貸出す等、試合日以外での収益が確保されるように活用されている。 また、練習場がスタジアムから徒歩圏(選手は自転車で移動)にあり、スタジアムがクラブハウスとしての機能を有していることからランドリー等も備えている。 その他、サッカーミュージアム等ヨーロッパにおいては当たり前となっている施設が完備されている。 中継スタジオ スタジアム内ショッピングセンター

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る