Ⅴ-3.セルティックa Jリーグ スタジアムプロジェクト 欧州視察報告(2010年10月) 67 べられ、各自で席を確保する。服装はカジュアルで、飲食はすべてセルフサービス(前日のハーツとは大違い)。司会がマイクで2人のOB選手を紹介し、簡単なトークショーと抽選会が終わると、スタンドへ誘導される。 その頃、スタジアムの外は津波のような観客で大混雑。 (3)入場者数58,874人 この試合は389試合目のダービー。これまでの通算戦績はレンジャーズの155勝139敗94分だが、プレミアリーグになってからのセルティック・パークでの対戦は、セルティックの33勝17敗20分と圧倒的にホームが勝利を収めている。この日のスタンドも超満員。両サポーターの緩衝地帯には、おびただしい数の警察官が並ぶ厳戒態勢。サポーターのボルテージはヒートアップして、ひとつひとつのプレーに立ちあがって声を張り上げていた。セルティックのサポーターは「リスボン67」と、英国初の欧州タイトルを記した横断幕をレンジャーズに向けて張り、ローマ法王ベネディクト16世と書かれたマフラーを掲げるファンもいた。一方のレンジャーズも、ユニオンジャックを振り、双方のスタンドからは、過去の遺恨がひしひしと伝わってきた。試合中、エキサイトした車椅子の観客を制止する係員の姿も見られた。 前半終了間際のセルティックの先制ゴールに、スタンドはごう音のような歓声に包まれ、ハーフタイム。ところが、元のラウンジに降りるとドアには鍵が掛けられて、試合終了まで入室できないという。仕方なく一般のトイレに向かうと、中には煙草の煙が立ち込め、行列しながら応援歌を歌い続けるセルティック・サポーターで大混雑していた。
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