スタジアムプロジェクト欧州視察2010報告書
66/91

Ⅴ-3.セルティックa Jリーグ スタジアムプロジェクト 欧州視察報告(2010年10月) 65 そわしていた。開幕から8戦全勝同士でぶつかる今シーズン最初のオールド・ファームに、タブロイド紙は、6ページの特集を組み、パブの前にはテレビ放映の予告看板が立ち並んでいた。 12クラブ3回戦制(3回戦目は上位下位)のスコットランドでは、カップ戦をあわせれば年に4~6回ものオールド・ファームが行われる。それでも、この盛り上がり。今節も、プレミアリーグの他の5試合は土曜日に行われ、この試合だけが日曜日の12:45試合開始に設定された。(日程発表時は12:00テレビ中継により試合開始時間が変更になった)。 チケットはすでに完売。8月下旬の段階で、唯一確保できたのは、1枚£100(14,000円)の「マッチデー・ホスピタリティ」というラウンジでの飲食付きのチケットだった。チケットの他に、①朝食のパン、②ドリンク券3枚(アルコールでも可)、③マッチデープログラム、④試合前に元選手による見どころ解説⑤サイン入りユニフォームの抽選会⑥試合後の軽食付き。付加価値を売りに、単価の高いチケットを販売する手法。あとで分かるのだが、このラウンジにはドイツ、スウェーデン、中国などからの団体を中心に受け入れ、観客席はアウェイ側の「ホームのファンには売りにくい」エリアを充てていた。 3. セルティック・パーク (1)スコットランド最大のサッカースタジアム セルティック・パークは、1892年完成。現在の収容人数は60,832人。2009/10シーズンのリーグ戦平均入場者数は45,582人(74.9%)。 最寄りのDalmarnock駅から徒歩20分、グラスゴー空港から17km。 スタジアムは、通称パークヘッド (Parkhead)、セルティックファンからはパラダイス (Paradise)と呼ばれている(隣が墓地のため)。クラブ設立当初、セルティックは2,000人の小さなグラウンドを借りて試合をしていたが、すぐ近くにあった自前の土地(現在の場所)に新スタジアムを建てて移転した。1929年には、アーチボルト・リーチ設計のメインスタンドを完成させている。 スタジアム正面には、セルティックを設立したブラザー・ウォルフリッド(Brother Walfrid)司祭の像がある。 大型スクリーンが2基。セルティック・ミュージアム、クラブショップ、レストランを併設。最大800人収容の会議室をはじめ、大小38 のラウンジには無線LANとモニターTVが備えられ、これらのゲスト用に800台の駐車場が用意されている。

元のページ  ../index.html#66

このブックを見る