スタジアムプロジェクト欧州視察2010報告書
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Ⅴ‐2.ハーツ Jリーグ スタジアムプロジェクト 欧州視察報告(2010年10月) 60 (2)コンセプト 「モダンなスタジアム」がコンセプト。メインスタンドだけでなく、現在は駐車場スペースになっているメインスタンド裏の土地を確保。将来的に商業開発を行い、アパートやホテル、フィットネスジム、レストランなどを入れて、地元の人たちにサービスを提供すると共に、クラブの収益にも役立てたいと考えている。 当然、新スタジアムはUEFAの基準(3っ星)に適合させる計画である。 クラブが最も重視していることは、スタンドとピッチの距離を極力空けずに臨場感のあるスタジアムにすることと、アウェイチームに対しては、少し威圧感のある「コロシアム」のような雰囲気が出るスタジアムにすることだと言う。 (3)複合型スタジアムを目指す理由 近代のサッカー界はクラブ経営面から見ると、スコットランドだけではなく世界的に厳しい状況。 今後クラブとして生き残るためには、トップレベルの選手を招く必要があり、そのためには高騰する年俸、ユース育成のクオリティ向上等に対応するため、資金が必要になる。これらを検討した結果、「伝統を大切にしつつも近代化を図っていくべき」ということを一番のテーマとした。 より大きなキャパシティで、地元に根ざし、サービスを提供し、それがクラブの収益に跳ね返るようなスタジアムができれば、収益力も上がり、よりクオリティの高い選手を呼び込めるようになる。こうしてチームのレベルも上がれば、サポーターの数もさらに増えていく。クラブではこういった前向きな利益のサイクルが出来上がるのではないかと考えている。 (4)改修後のキャパシティ 新スタジアム完成後のキャパシティは、23,000人収容となる予定。 23,000人にする理由は、2007年のプレシーズンマッチとして行われた、バルセロナ戦で、事前に広告は出さなかったにも関わらず、地元のマレーフィールド・スタジアム(ラグビー場)に、59,578人もの観衆が集まった。それだけ熱心なサポーターがいるので、スタジアムの収容規模を拡大しても集客能力は十分にあるだろうと考えている。 (5)改修費用と改修後の収益イメージ ①改修のための投資額 £5,100万(71.4億円)。 ②改修後の収益 最大で年間£225万(3億1,500万円)のチケット収入増。 チケット収入を除いても、追加収入として年間£50万(7,000万円)を見込んでいる。 (6)建築設計会社 スタジアムを建設するのは「AFLアーキテクト社」。同社は世界中で近代的なスタジアム建設を担当している建築設計会社。 改修後の模型 AFLアーキテクト社が制作している新スタジアムのパース

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