スタジアムプロジェクト欧州視察2010報告書
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Ⅴ‐2.ハーツ Jリーグ スタジアムプロジェクト 欧州視察報告(2010年10月) 59 (2)チャリティ活動 2006年、クラブは財団を設立し、地域への慈善活動に力を入れるようになった。 サッカーには、情熱(ハート)、スピリット、エモーションなど、心に訴えかける要素があるので、サッカーというスポーツを通じて、人々により強くチャリティ活動を訴えかけることができると思っている。 (3)ボランティア ボランティアに手伝ってもらうケースは多い。クラブが運営しているチャリティ事業の旗を持って子どもたちがピッチを走ることも、当然ボランティア。また、120周年を迎えた5年前、「フラッグデー」としてメインスタンドで「120」というコレオグラフィーを行ったときなどは、すべて地元のボランティアの手を借りた。 (4)コミュニティ活動 クラブは当然、地元のコミュニティの中で、「どのような地域の人々がどのような助けを必要としているのか」ということに気を配り、見つけてはすぐに対応するような体制を取っている。 単純にスポーツ、サッカーに関する活動だけではなく、演劇や音楽、職業訓練のようなものについても支援している。 対象は子どもだけでなく、大人であっても助けを必要としている人がいればクラブは手を貸し、若者については教育以外に道徳心、道徳的な教育といった分野のレベル向上にも力を貸している。 (5)マーケティング(広報・PR・販促)活動 ①テレビCMでのクラブ紹介 クラブが積極的に取り組んでいる例として、テレビのスポットCMでクラブを紹介している。 イギリス全土には、数多くフットボールクラブがあるが、テレビCMを使ってマーケティング活動を行うようなクラブは多くないとのこと。 ②ラッピングバス 市内を走るバスの車体にクラブ広告を出し、市内を走ることで、地元の人たちにハーツという名前を認識してもらっている。地元に根付いているクラブだからこそ、地元を走っているバスにクラブ広告を出すことができる。 ③競馬を活用した販促活動 イギリスでは競馬も盛んなため、競馬を使った販促活動も行っている。 5. 新スタジアム計画について (1)概要 2005年1月にロシア/リトアニア国籍の実業家で 銀行家のヴラジミール・ロマノフがクラブを買収し、会長に就任。2007年8月、クラブはメインスタンドを10,000席に改築(23,000人収容)にした上で、ホテル、オフィス、レストラン、バー、ホテルを兼ね備え、最終的には40,000人収容へのスタジアムプランを発表。2008年2月にエジンバラ市議会に提出した。予算は£5,100万(約71.4億円)。 育成から選手を育て、高額の移籍金で他クラブに移籍させることは、クラブの重要な収益源となっている。

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