Ⅴ‐2.ハーツ Jリーグ スタジアムプロジェクト 欧州視察報告(2010年10月) 58 一方、コンコースでは、日本同様にトイレ前にサポーターが列を作り、喫煙スペースでは前半のレビューに会話が盛り上がっているようであった。 ③試合後 試合後も、ゴーギー・スイートに戻る。ゲストですぐに帰宅する人は皆無。やがてマッチスポンサーによる「マン・オブ・ザ・マッチ」に選ばれたスソ・サンタナ選手(MF)が現れ、マッチスポンサーから記念のシャンパンを受け取り、サインや記念写真に応じていた。 次にハットトリックをあげたルディ・スカッツェル選手がラウンジに登場すると客席は総立ちとなり、拍手が鳴りやむことはなかった。 その後も懇談は続き、それぞれのテーブルのゲストを司会者が紹介し、そのたびに、他のテーブルから拍手が起こるなど温かい雰囲気で交流が深まり、試合観戦を含めたホスピタリティは終了した。どのゲストも心の底からハーツのホスピタリティを楽しんでいるようだった。 4. クラブのプレゼンテーション (1)育成活動 クラブにとって非常に重要なことは「地元の選手をユースから育て上げること」。ハーツは2005年にアカデミーを整備し、現在、200人強の子どもやユースレベルの選手たちを抱えている。下は10歳以下から、上はプロの第一歩を踏み出す19歳という年齢まで、アカデミーで育成している。 アカデミーの選手に対しては、トレーニングセンターにプログラムがあるが、一般的な教育にはじまりフィットネスの重要性、栄養学、さらに近代サッカーには欠かせないパフォーマンスの分析も若い頃から行い、メディア対応や地元のコミュニティに対する接し方まで教えている。 マン・オブ・ザ・ マッチに選ばれた サンタナ選手 全てのサポーターがボールの行方を追っている ハーフタイムのコンコースの風景 他のテーブル紹介に拍手を送る参加者 テーブル同士の交流が深まるラウンジの雰囲気
元のページ ../index.html#59