Columm Jリーグ スタジアムプロジェクト 欧州視察報告(2010年10月) 53 Villa Parkにて イングランド・バーミンガム周辺には、4つのプレミアリーグのクラブがひしめいている。 そのひとつ、ウエスト・ブロムウィッチ・アルビオンでのスタジアム視察およびヒアリングを終え、我々は10kmと離れていないアストン・ビラのホームスタジアム、1966年ワールドカップ会場にもなった「Villa Park」に向かった。 「Villa Park」には「The Holte」というパブがあり、毎日営業していると事前の情報を得て、そこでパブ・ランチを取ることにしたのである。 Villa Parkの敷地の一角に建つ、美しい建物が「The Holte Pub」。準男爵サー・トーマス・ホルテの名を冠するゴール裏スタンド「Holte End」の向かいにある「The Holte Pub」は、かつてはホテルだったレンガ造りのヴィクトリア王朝風建物を完全復元したもの。室内もシックで落ち着いている。近所のビジネスマンやマダム達がランチを食べていた。 ここは特別な場所ではなく、日常になっている。 我々も各々メニューを選んでカウンターでオーダー。パブのスタッフは突然の団体に驚く様子もなく、オーダーを捌いていく。たまにこういうことがあるのかもしれない。 「Villa Park」は1897年にオープンした、創設から100年以上たったスタジアムである。これまでの歴史の中で幾度となくリノベーションや拡張を繰り返し、現在の形になった。メインスタンドの「Trinity Road Stand」は、Trinity Roadの上にかぶさる形になっている。敷地が・・・、拡張性が・・・という声をよく聞くが、やる気になれば出来るのでは?そう思わせてくれる形状だった。 スタジアムのポイントポイントで使用されるエンジと水色のクラブカラーが美しい。ドイツとスイスで見てきた最新のスタジアムとはまた違う、イングランドの伝統の持つ魅力が外観を見ただけでも伝わってきた。 ↑Trinity Road Standの下を歩く ←車も通る道路の上にスタンドが作られている
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