Ⅳ‐1.ウエスト・ブロムウィッチ・アルビオン Jリーグ スタジアムプロジェクト 欧州視察報告(2010年10月) 45 アウェイサポーターを分けている。 担当者は「試合当日は放っておくと、人の流れが殺到してしまうことがあるので、なるべく早くスタジアムに入っていただきたい。そのためにコンコースのスペースを広く取り、早めにスタジアム内に収容するような体制を取っている」と言う。 (3)観客席 ①一般観客用 ほとんどのエリアはホームサポーター用。アウェイサポーター用はスタンドの一角に入って観戦する。基本的にアウェイサポーターとホームサポーターの仕切りは、対戦相手がどれくらいのサポーターを連れてくるかによって変わる。 通常、アウェイサポーター用として予定しているキャパシティは、リーグ戦で2,800人ほど。1,200人くらいしか連れてこない場合は、仕切りを狭めて、その分をホームサポーターに販売している。 なおスタンドの最前列はフィールドレベルより1段掘り下げて低くなっており、一層の臨場感が楽しめる。 ②スカイボックス 企業スポンサー、コーポレートチケットを買っているゲストが観戦するスペース。 このボックス席が全部で28室あり、収容人数は合計で232名。 ③コーポレートエリア 試合当日に800人のゲストを収容可能。この部屋は試合のない平日にも、地元企業のセミナーなどに利用されている。コーポレートエリアだけで、通年で£107万(1.5億円)くらいの収益がある。 ④ザ・レジス・スイート 「シリル・レジス」いう、昔の伝説的な選手の名前がついているスイート。ここは、コーポレート用のゲストを呼べるスペースとしても使われるが、試合当日は、テレビ解説者が仕事を行うスペースとしても使われている。当然スタジオともつながっている。 ⑤屋根 透明の屋根が曇ってしまうという問題があり、2年に1度ジェットウォッシュで曇りを取る作業を行う。 4年前に南側の屋根が曇り、光がほとんど通らなくなったので屋根を張り替えた(10年くらい使用)。 5. 【The Hawthorns】周辺地域の整備 (1)周辺エリア整備に向けた土地購入 今は使われていない「サポーターズクラブ」と書かれた古い平屋の建物がある土地を購入した。これは将来的にスタジアム周辺エリアを再開発する際に、スタジアムの裏側の地区でも、地元の人たち アウェイサポーターと分離するシャッター ザ・レジス・スイートの様子。部屋の中にはレジス選手の写真が多数飾られている。 屋根は8年~10年に1度取り替えることが最もよい、と担当者は言っていた。
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