スタジアムプロジェクト欧州視察2010報告書
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Ⅲ‐3.ザンクトガレン Jリーグ スタジアムプロジェクト 欧州視察報告(2010年10月) 36 資する」との考えで資金を供与された。 <スタジアム建設費の調達明細> CHF (百万円) モールへの土地売却金 4,250万 (3,612) 周辺自治体からの協力金 130万 ( 110) StadionSt.GallenAG資本金 750万 ( 638) 銀行からの借入金 1,460万 (1,241) イベントボックスなど前受金 330万 ( 281) 計 6,920万 (5,882) ④試合開催時は休館 スイスの商業店舗は日曜休みのため、通常は駐車場等問題ないが、もし開催日とモール営業が重なった場合はモール閉館がキックオフ1時間前(またモール営業は17時までと条例化)で、駐車場は1時間前からスタジアム専用となる。 ⑤ホスピタリティの充実 8人~12人用のスカイボックスと呼ばれる個室が6階に12室、5階に8室あり、観戦および飲食、通常個室使用含め年間1室CHF10万~16万 (850万~1,360万円)で好評な利用状況である。また、ビジネスシートはビジネスラウンジの利用を伴い450席を準備。双方のホスピタリティゾーンへの食事を1度に1,000食分供給できる態勢を敷いている。 また、VIPに関しては100席用意されており、駐車場との行き来は直行エレベーター利用でスムースな移動が確保されている。 ⑥わかりやすい場内案内表示 場内の表示は観客目線、利用者目線、ビジター目線で表記されている。観客席は階段と席にわかりやすい明確な表記があり、表側の観客ゾーンだけに限らず施設内随所、例えば後方用の踊り場などどこにもわかりやすい絵表示がされている。 また、立ち入り規制(ADコントロール)は上図左側の手首ベルトの色分けによりスマートかつわかりやすい表記となっている。 ⑦安全性の確保 ホームとアウェイの観客が交錯することによる事故を未然に防ぐため、スタジアム入場前通路から観客席に至るまで固定フェンスで完全分離している。 また、観客が混乱をおこさないよう可動式のフェンスボックスを随所に準備しており状況に応じて機敏に対応できる体制となっている。 ⑧コンコースの有効利用 コンコースはスイスという冬季寒冷な風土から観客に快適な環境を提供するため広く清潔で、開閉式強化ガラス窓でカバーされており、見晴らしもよくサロン的利用もされている。窓枠や柱にちょっとした台があり、快適にスタンディング

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