Ⅲ‐3.ザンクトガレン Jリーグ スタジアムプロジェクト 欧州視察報告(2010年10月) 34 ホームクラブ概要(FC St.Gallen) 【リーグ】 スイス・スーパーリーグ(1部) 【創設】 1879年 スイス最古のクラブと言われている 【ホームタウン】 ザンクトガレン市 (人口:72,642人 面積39.41km2) 【スタジアム】 AFG Arena (20,300人収容, 観客席19,694席) 【平均観客数】 2009/10 :14,082人 【リーグ戦年間観客総数】 253,485人 【クラブの歴史】 1896年 他のクラブと合流し「United FC St.Gallen」に変更、 1903年に元の現クラブ名「FC St.Gallen」に戻された 1903/04に初めてスイス王者となったが、以後96年間リーグ優勝なし 1969年 カップ戦優勝 1978年 リーグカップ優勝 1988年 チリ代表・サモラーノが加入、3シーズン在籍。1989/90シーズン得点王 1999/2000シーズン 2位に10ポイントの大差で96年ぶりに2度目の優勝 近年はスーパーリーグとチャレンジリーグ(2部)を往復している 1. FC St.Gallenについて (1)ホームタウン・ザンクトガレン市について スイス北東部のザンクトガレン州(人口47万人)の州都で613年アイルランドから来た聖ガルスが修道院を設立、13世紀にザンクト・ガレンの修道院と町は独立した領邦となり諸候と同格の領主として治めた。 世界遺産としてザンクト・ガレン修道院と図書館 が1983年に登録され、観光資源となっている。 刺繍を特産とし、繊維・チョコレート製造・機械工業などが散在する人口72,642人の街である。 (2)FC ザンクトガレンについて スイス最古、ヨーロッパでも3番目に古い歴史を誇るクラブであるが、スイスで他の歴史あるクラブのグラスホッパーやヤングボーイズと比べると輝かしい栄光は少ない。また、現在の1試合平均観客数もFCバーゼル23,656人、BSCヤングボーイズ22,652人についで第3位ではあるが14,082人と大きく離されている。 しかし、市の規模や市街から高速で30分近く離れた立地から見るとクラブの存在が市民のアイデンティティとなっており、大きな意義を持っていることが窺がわれる。 (3)FC ザンクトガレンの損益状況について ①施設と一体となった特殊な経営構造 経営構造として <1>オーナー会社であるStadion St.Gallen AG(ザンクトガレン市が設立、従業員なし) <2>施設やサッカー興行の運営管理を担うビジネス会社のBetriebs AG AFG ARENA(従業員22名) <3>サッカークラブ運営会社のFC St.Gallen AG(選手・コーチ・チームおよび運営スタッフ含め90名)の3つの会社機構で構成さⅢ.スイス 3. AFGアレナ(FCザンクトガレン) 2010年10月21日訪問 二村 弘志(ギラヴァンツ北九州)
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