スタジアムプロジェクト欧州視察2010報告書
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Ⅱ‐2.マクデブルク Jリーグ スタジアムプロジェクト 欧州視察報告(2010年10月) 16 4. 【MDCCアレナ】 観客用設備 (1)一般観客席(キャパシティ) キャパシティは25,000人で、立ち見席を含めると28,000人まで拡張可能。キャパシティを検討した際は、27,000人と15,000人収容とで建設費をシミュレートしたが、12,000人の差にも関わらず、コストが€300万(3.6億円)しか違わなかったため27,000人とした。これにより、国際試合が開催できるスタジアムとなり、国際試合の放映権収入を得ることも可能となっている。 また、キャパシティは必要に応じて変更できる設計になっている。 (2)車椅子席 メインスタンド側で64人の身体障がい者が観戦することが可能。バックスタンド側にも同じスペースがあり(合計128人分)、スタジアム両端の角の部分が車椅子席用の造りとなっている。入場ゲートから車椅子席に通じる階段は身体障がい者を上げるためのリフトが付いている。 (3)スカイボックス・ビジネスクラブ ①スカイボックス スカイボックスは上下階合計で15室ある(3階9室、4階6室)。1つのボックスに対して10人~12人を収容でき、直接観戦席に行ける構造となっている。 上の階は、スタジアムスポンサーのMDCCをはじめ市営ガス会社、水道会社等が借りており、下の階のボックスはプライベートで借りることもでき、会議などのプレゼンテーションなどでも活用できる。 さらに、1シーズンレンタルすると、€35,000(420万円・税込)となっており、飲食代もこれに含まれている。 ②ビジネスクラブ ビジネスクラブには、1試合€120(14,400円)で入ることができる。このラウンジは400人のキャパシティがある。 ③VIPエリアの改修計画 今後、昇格した時のことを考え、スカイボックス、ビジネスクラブなどを横に広げる計画がある。この拡張計画は設計段階から想定して建設している。 なお、いずれのカテゴリーにも関わらず、入場の際は、警備スタッフがバーコードリーダーでチケットをチェックする仕組みとなっている。 5. 【MDCCアレナ】 スタジアム周辺設備 (1)スタジアム周辺のスポーツ施設 スタジアム周辺は、ドイツでも稀に見るほど、スポーツ施設が充実している。担当者によると「このように、サッカー以外のスポーツ全般をカバーしている施設はドイツでも希で、おそらくミュンヘンにあるくらいなのでは」とのこと。 《周辺設備》 ①スポーツホール 8,000人収容。ハンドボールのブンデスリーガ1部が行われている。 スカイボックス 壁面には歴代の集合 写真が飾られている。 バーコードリーダーによる入場チェック (左)車椅子席 (右)車椅子用リフト

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