Ⅱ‐1.ヴォルフスブルク Jリーグ スタジアムプロジェクト 欧州視察報告(2010年10月) 11 プテンとしてインタビューを受けたので、個人のことよりもチーム、全体のことを考えて発言した。 Q:ドイツと日本のスタジアムで、どこが一番違う? A:ドイツに来てまだ3年なのであまり偉そうなことは言えないが、日本のサポーターは声を合わせて熱く応援していて、ドイツのファン、サポーターはビールを飲みながら試合をゆったりと楽しんでいるように見える。どちらが良いというのではなく、日本のファンとドイツのファンとでは違うので、ヨーロッパの真似をするのではなく、日本らしさやこれからいかにサッカーを根付かせていくかといった独自の考え、やり方が重要だと思う。そうでないと長く続かないと思う。 Q:今回我々はまだまだ整備されているとは言えない日本のスタジアムを変えたい、という思いで視察に来た。 A:こうして施設を見て勉強することはとても良いことだと思う。 Q:このスタジアムで一番気に入っているところは? A:ここの観客はフォルクスワーゲンの工場で働く人たちが中心で、サポーターがあまり熱くないところがある。このような土地で5万人規模のスタジアムを作るのではなく、この街に合った3万人というサイズがちょうどいいと思っている。5万人規模のスタジアムで3万人来るよりも、3万人がいつも満員のほうがプレーする立場としては良い。 Q:スタジアムに練習場が隣接しているのはどうか? A:いつも練習で使っている更衣室で試合を迎えるというのが個人的に気に入っている。逆に、練習と試合の場所が異なるほうが気持ちのスイッチが入る、という人もいるだろう。 Q:フォルクスワーゲン・アレナ以外で好きなスタジアムは? A:ドルトムント、シャルケ、ハンブルグ、バイエルン。あれだけのサポーターが入るスタジアムは素晴らしいと思う。そしてサポーターがチームを強く愛する心を感じられるところも素晴らしい。シーズンシートも5~6万席売れているというのも凄い。 Q:ドイツの人たちにとってのスタジアムとは? A:日曜日は店が軒並みしまってしまうこともあり、週末の楽しみの場所がスタジアムだと思う。 Q:これからスタジアムを建設するうえでのアドバイスは? A:偉そうなことは言えないが、このスタジアムのように駅から歩いてこられる場所は利便性が高い。また、このスタジアムは試合後道路が渋滞することもないので、選手としてストレスがないのは良い部分だと思っている。日本では大きな駅の近くにスタジアムを建設するのは難しいかもしれないが、いずれにせよ、そのクラブに合った、ファンやサポーターに愛されるスタジアムであることが重要だと思う。 Q:今日はお疲れのところありがとうございました。
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