スタジアムプロジェクト欧州視察2010報告書
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Ⅱ‐1.ヴォルフスブルク Jリーグ スタジアムプロジェクト 欧州視察報告(2010年10月) 9 ラウンジを使用しての会議やパーティーなどは数多く行っている。 ◆芝生の管理 芝生の張り替えに€12万(1,440万円)かかったこともあるが、3年前に人工照明Stadium Grow Lighting(SGL)を大8基、小4基導入。導入後は部分的な補修のみで、張り替えを行わずに済んでいる。通風はスタジアムの四隅を切ってあるので十分に確保できている。 ◆試合時の運営スタッフ 40人のボランティア、300人のケータリングスタッフ、400人のセキュリティスタッフによって試合運営を行っている。ボランティアは報酬の受け取りを拒否している。彼らはクラブに貢献したい、という強い思いを持っている。 ちなみにVfLヴォルフスブルクのスタッフは契約社員を含め120名。 ◆シーズンシート 20,000~22,000席を販売。キャパシティの70%を占める。 ◆スタジアム建設時の哲学 街の規模、街の潜在能力に合ったスタジアムであること、そしてアクセスの良い立地というのを重要視した。また、家族をターゲットに考えているので、ファミリー席などを導入している。 ◆SOCCAFIVE Arenaについて スタジアムに隣接した屋内型のフットサルコート(5面)と子ども向けの遊技場。カフェも併設されており、外にはビーチサッカーコートも1面ある。 この施設はヴォルフスブルクAGが誘致し、応じた企業が建設、運営を行っている。土地は市有地をAGに売却した。 ◆ 今後の改修ポイントや取り組み 現在も来場者の希望に合うよう、スタジアムの改修を行っている。今後さらに飲食売店の質、スピード、数の向上を図りたい。また、キャッシュレスシステムの導入を考えている。ゆくゆくはカード1枚でシーズンシート、会員カードも兼ね、街でも使えるようなものになると良いのだが。 ◆ スタジアム建設におけるアドバイス 芝生の管理がしやすい構造にすることが重要。斜度は怖くないレベルと心地良さとのバランスが大切である。 3. 試合観戦 我々はVfLヴォルフスブルクのスカイボックスで試合を観戦した。レバークーゼンとのこの試合、チケットは完売しており、スタンドは満員。VIPエリアも来場者の熱気にあふれ、大盛況だった。キックオフ前にはヘーネスGMがわざわざ足を運んでくれた。 我々のボックスには3名の女性スタッフが付き、ドリンクのオーダーに対応してくれた。食事は各自ラウンジ中央のビュッフェコーナーまで取りに行く方式。前菜からメインまで十分に用意され、ハーフタイムはケーキなどの甘いものが出され、試合終了後にはまた食事が出されていた。 キックオフ直前、ピッチ上空にドイツ銀行の飛行

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