ホームタウン・イレブンミリオン欧州研修2009報告書
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Ⅳ‐2.プレストンNE Jリーグ ホームタウン・イレブンミリオン 欧州研修報告(2009年1月) 37 ッカーを見に来てもらうための工夫をしている。その他教会や寺院のイベントにも出向いていく。 将来のサポーターを作るために、幼小中学校に対して、選手やコーチが出向いて招待券を配布したり、試合告知などをしている。また、地域との交流・選手発掘を目的にユースのコーチを学校に派遣している。 クラブは地元ありきなので、障がいや年齢に関係なくファンを作っていく。車椅子に対しても付き添いは無料にしている。地元との関係がうまくいっているため、何か困ったことがあればクラブの担当者へ連絡が来ることもある。 コミュニティ活動の担当者がこの仕事をしているうえでの喜びは「地元の人の役に立っていると実感する瞬間」と「地元の人と常にふれあいを持てていること」との回答であった。 (3)シーズンチケット シーズンチケット継続のために、12月頃手紙やメールにて呼びかけをする。プレストンNEの場合、プレミアリーグにあがった場合シーズンチケットの価格が上がるため、この時期に入会した方へは価格据え置きの特典がつく。早めに更新をしてもらうための工夫である。 両親がシーズンチケットを持っている場合は8歳以下無料などの特典もあり。 シーズンチケットホルダーの人数は約10,000人で安定している。 地元新聞には試合の週に広告で試合告知。WEBでの試合告知。 (4)スタジアム スタジアムは19世紀後半から使用されており、スポーツ用の施設としては、世界で一番古いと説明があったが、老築化が進んだスタジアムと周りの施設は12年前から少しずつ増改築されており、リニューアルされたスタジアムは今年ほぼ完成を迎える。スタジアム内には、ジムやプレストン大学が運営するラーニングセンター、病院の出張所などが併設されており、試合のない日は会議室なども一般に貸し出しをしている。ピッチは設立以来変わっておらず長年の歴戦を見守ってきた。スタジアム内に病院の出張所がある理由は、子供から大人までプレストンNEがどこにあるか知っているからとの回答であった。 スタジアムの各スタンド名はかつてプレストンNEに在籍した名選手にちなんだ名前「バックスタンド“サー・トム・フィニー・スタンド”、ホームゴール裏“アラン・ケリー・タウンエンド”、アウェイゴール裏“ビル・シャンクリー・コップ”」になっており、ファン投票により決定されたが、メインスタンドだけは、選手名ではなく“インビンシブル・パビリオン”と呼ばれ、リーグ創設初期にリーグ戦とFA杯を無敗で優勝した最強軍団をマスコミが“インビンシブル(無敵)”と評したことから名付けられた。 (ホームゴール裏“アラン・ケリー・タウンエンド”) また、ナイター照明の高さはイングランドで一番高い位置にあると言われており、遠くから見たときに街のシンボルになるように設計されている。 ベンチはメインスタンドの中央に両クラブ用、審判用が用意されており、観客も選手と同じ感覚でスタジアムの雰囲気を楽しんでほしいという粋な造りとなっている。これはその後に伺ったイングランド

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