ホームタウン・イレブンミリオン欧州研修2009報告書
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I.はじめに Jリーグ ホームタウン・イレブンミリオン 欧州研修報告(2009年1月) 2 Ⅰ.はじめに 昨年1月に実施した「イレブンミリオンプロジェクト欧州視察」、9月の「ホームタウン・イレブンミリオンアメリカ研修」に引き続き、今年も1月早々に28人のクラブスタッフによる「ホームタウン・イレブンミリオン欧州研修」を実施した。今回もハードスケジュールの「合宿」で、休む間もない行程にご参加いただいた各位には心から感謝したい。 スペインでは「熱狂のスタジアム」そのものに触れ、女子のスーパーリーグも観戦した。財政難に立ち向かっているレバンテ(2部)、人口わずか5万人足らずのビジャレアルで話を聞いた。 ポルトガルでは、約17万人のソシオに支えられているベンフィカ、スタジアムに定評のあるスポルティング、同じリスボン市で総合スポーツクラブを運営しているベレネンセスの3クラブを訪問した。 イングランドでは、2004年にホームタウンを移転したミルトンキーンズ・ドンズ(3部)、古豪のプレストン・ノースエンドとブラックプール(いずれも2部)で、コミュニティ活動を中心にヒアリングした。2部のプレストン対バーンリー戦の朝に、スタジアムの向かいの公園で行われていた両クラブのサポーター同士による「ダービーマッチ」観戦など、毎日のように豊かなサッカー文化を感じることができた。 いずれのクラブも、シーズン中の多忙な時期にもかかわらず、長時間にわたり受け入れてくれた。参加者の質問ひとつひとつに丁寧に回答し、その端々で「わたしのクラブは、こういうところがNo.1」と、クラブが誇りとするポイントを加えながら説明してくれた。 長い歴史を積み重ねてきた欧州のクラブサッカーに肌で触れ、参加者の感性は相当刺激されたに違いない。急速な円高のせいか、渡航客も目立ち、現地のスタジアムでも日本からのファンを良く見かけた。地域やファン・サポーターと向き合っているクラブスタッフも、ファンが憧れている世界を知らなくてはいけない。そして今回、サッカーの本場で感じ取ったものを、大いにクラブでの活動に活かしていきたい。 Jリーグ イレブンミリオンプロジェクト 佐藤仁司 【期間】 2009年1月9日(金)~1月20日(火) 【訪問地】 スペイン(バレンシア、ビジャレアル) ポルトガル(リスボン) イングランド(ミルトンキーンズ、プレストン、ブラックプール、マンチェスター、ロンドン) 【参加者】 35名 Jクラブ28名、J事務局3名、J関連会社2名、その他2名 【目的】 1.クラブのホームタウン担当、イレブンミリオン担当が、欧州のサッカー文化に触れ、今後の活動に活かす。 ①なぜ、人々がスタジアムに足を運ぶのか、「熱狂のスタジアム」の雰囲気に触れ、本質を知る。 ②常にチケットが完売している状況下でも、チケット営業、シーズンチケット更新にむけて努力している活動をヒアリングする。 ③地域の小クラブやビッグクラブの近くで地道に活動する小クラブにも訪問し、コミュニティ活動をはじめ、クラブのアイデンティティを学ぶ。 ④高度なスタジアム施設、快適なファシリティを視察。 ⑤顧客管理、リピーターに向けた施策を探る。 ⑥町を歩き、クラブと市民とのタッチポイント(ショップやグッズ、告知ツール)を目にする。 2.クラブ担当のコミュニケーション活性化の場とする。 ①ベテランと若手のコミュニケーション ②普段、交流のないクラブ間のコミュニケーション

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