ホームタウン・イレブンミリオン欧州研修2009報告書
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Ⅲ‐3.スポルティング Jリーグ ホームタウン・イレブンミリオン 欧州研修報告(2009年1月) 27 カーの技術習得を行っている。 ④質の良い指導者、特に人間としてのモラル・教育のできる指導者であることを重視している。 スカウトは100名を超え、「自転車で5kmも走れば、他のスポルティングのスカウトに会える」と言われるほど。彼らは常勤でなく、試合にスカウティングに行った際、その時間に応じての時給や交通費を支給されている。(良い選手を見つけたら成功報酬をもらうというシステムではない) 良いと思われる選手を見つけたら、その地域を統括するスカウトに連絡し、さらに上級のスカウト担当につないでいき、最終的にスカウト責任者が認めれば練習に参加させて、見極める。「現在のスポルティングがあるのは、このスカウト網とスカウト責任者が優秀であるから」と、スタッフは語っていた。 スポルティングは、育成型のクラブであり、ライバルであるベンフィカは、バイイングクラブであるというのが一般的な認識のようだ。 3. スタジアム施設およびシーズンシート等 (1)スタジアム スタジアムの名称は、ジョゼ・アルバラーデ21。収容人数は、52,000人。2層式スタンドのサッカー専用スタジアム。2003年8月に新しくなり、クラブミュージアムをはじめ、医療クリニック、ヘルスクラブ、スーパーマーケット、映画館が付帯施設として入った複合型スタジアムである。UEFAの5つ星スタジアムとして、2004年ヨーロッパ選手権(EURO2004)でも使用されたが、EURO2004で使用された新設スタジアムのうち、唯一EURO開催決定前から建設計画があった。 スタジアムは、土地も含めてクラブの所有であり、現在の新スタジアムは、以前のスタジアム横にあった練習用ピッチを潰して建設された。建設費は、1億3,000万€(156億円)であり、EURO2004開催のため政府からの援助がスタジアム部分で20%あったが、クラブの自己資金と銀行とのプロジェクトによって建設された。 併設されているスーパーマーケットや医療クリニック、映画館は売却され、他の企業が運営を行っている。 スタジアムのコンセプトは、「安全かつ快適であること。試合がない日でも人々にスタジアムに来てもらうこと。子供や女性が楽しめること。」である。 スタジアム全体がクラブカラーを基調とした緑で統一感があり、屋根の一部に透明な素材が使用されているのは、採光によりスタジアムを明るくするため。 スタンドの座席は、あえてカラフルな色が使用されており、これは空席でも観客が多く入っているように見せるための工夫であり、TV映りへの配慮とスタジアムの雰囲気づくりのためである。 スタンドは4つにゾーニングされており、それぞれにネーミングライツとして、スポンサーがついている。 ・東スタンド Caixa Geral de Depositos(銀行) ・西スタンド tmn(携帯電話) ・南スタンド edp(エネルギー会社) ・北スタンド SAGRES(ビールメーカー)

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