Ⅲ‐1.ベレネンセス Jリーグ ホームタウン・イレブンミリオン 欧州研修報告(2009年1月) 20 (3)総合型スポーツクラブ 1919年のクラブ創設から徐々に種目が増えていき、10年ほどで現在の種目数になった。中には途中でなくなってしまった種目もあるが、最近ではフットサルの活動を5年ほど前から開始した。数多くの種目の中でプロとして活動しているのはサッカー、フットサル、ハンドボール、バスケットボールの4種目(ただし、バスケットボールは今年まで)。 スタジアムに併設されているクラブハウスには2階まであるトロフィーの展示ルームもあり、サッカーのみならず各種目で獲得したトロフィーが所狭しと並べられていた。その数はすべて合わせて1万点が展示されていた。 (クラブハウスにあるトロフィールームの様子) 北京五輪のトライアスロンで銀メダルを獲得したバネッサ・フェルナンデス選手は現在ベンフィカの所属となっているが、このクラブで育った選手とのこと。 (4)財政面 ソシオの会費は8.5ユーロ(1,020円)/月(18歳以下、65歳以上は4.25(510円)ユーロ/月)。サッカーの試合観戦には別途費用が必要(シーズン席確保で年100ユーロ(12,000円)+試合毎に6ユーロ(720円))。シーズンチケットホルダーは約3,500名。 フットボール部門の収入はテレビ放映権200万ユーロ(2億4,000万円)、ソシオ会費130万ユーロ(1億5,600万円)、広告6.5万ユーロ(780万円)、入場料25万ユーロ(3,000万円)、他種目の部門からの収入より200万ユーロ(2億4,000万円)で合計約600万ユーロ(7億2,000万円)。支出の80%は選手・スタッフの人件費となっている。クラブ全体での経営規模は1,000万ユーロ(12億円)。クラブでビンゴを経営しており(ポルトガルでは大概どのクラブも経営)、国内でも有数の規模を誇り収入源のひとつとなっている。 (5)クラブ運営 クラブスタッフは40名(ダイレクター5名、セクレタリー15名、メンテナンス・クリーニングスタッフ20名)。ボランティアスタッフも60名ほどが運営をサポートしている。通常のサッカーのホームゲーム開催時は警備スタッフ30名、警察20名が警備にあたる。ベンフィカ、スポルティング、ポルトとの試合の時の観客は普段の3倍近くの来場があるため、警備もその時だけは3倍の人数で対応している。 「ここ2年で4回もクラブのトップが替わっており安定した運営が出来ていない。そこが課題のひとつである。」とクラブスタッフも語っていた。 (6)地域コミュニティ 施設内には小さいが4箇所のBarがあり、スポーツをするしないに関わらず、人々が集えるようになっていた。ホームゲーム時は多くの人が試合前にお酒を飲んだり、軽食をとったりしており、そこからスタジアムへ移動していた。 選手が地域の学校やイベントに参加することは、現状ほとんど出来ていないとのことだったが、今後力を入れて取り組んでいきたいと語っていた。 2. 試合観戦 (1)ポルトガルリーグカップ(Carlsberg Cup) 対戦:ベレネンセス(Belenenses) 対 ギマラエス(V.Guimarães) 会場:レステロ(Estádio do Restelo) 結果:0-0(0-0) 入場者数:1,107人
元のページ ../index.html#21