Ⅱ‐3.カステジョン Jリーグ ホームタウン・イレブンミリオン 欧州研修報告(2009年1月) 12 用は非常に少ない。 電光掲示板はゴール裏スタンド上部に各1ヶ所、ビジョンはホーム側バックスタンド2階(アウェイ席)上のコーナーにあった。 ピッチと観客席の距離は非常に近く、ピッチ看板も角度をつけてはいるが片面だけでスタンド壁面にぴったり着けているほど。 芝は日本のものと違い、葉が幅広で腰がなく柔らかいと感じた。粘土質のように見えるピッチはあまり良くなく、滑っている選手が目立った。 (4)広告露出 審判の袖や審判旗、チームフラッグを使用したコーナーフラッグにも広告を露出。カステジョン選手の背番号の下には、同チームのホームページアドレスが広告のように入れられているが、すべての選手に入っている訳ではない。アドレス入りのユニフォームを着ている選手は半数以上だが、その有無に何かの意図があるのか、定かではなかった。 ピッチなどに設置された看板の質は非常に低く、何枚かははがれている状態。そのことを観客に聞くと、もっと金を出せば新しくするとの返答で意に返さない様子。TOYOTAの看板がスタンド中央に掲出されており、BMW、AUDI、VWのディーラー看板が並ぶ(地元販売店が掲出)。小口のローカルスポンサーを数多く集めている感じが強く、照明の柱を含むスタジアム内の有効スペースはすべて看板で埋め尽くされていた。大きなスポンサー(パートナー)を持たないこのチームは、Jリーグの理念同様、地域密着感が非常に強く見受けられる。 試合中、ビジョンは試合経過を流しているが、たまに他試合の経過や選手交代をスポンサーロゴと一緒に流していた(他試合経過:BMW、選手交代:TOYOTA)。ハーフタイムにはスポンサーのCMを放映。ただし音声はなく映像のみ。 また競技前後、ピッチ上ではセンターサークルにバナーを出していた。 ホーム側バックスタンドの広告風景とビジョン (5)試合運営 ゴール裏はピストルを所持した警察官が常時配置されており、ゲートの手荷物検査にも警察官が立ち会っていた。試合終了5分前にも警察官がピッチ内に増員され、全周警備体制でスタンドを監視。警備については、1部同様のレベルを維持しているように思える。 ボールボーイは下部組織と思われる子供が担当であったが、極めてルーズ。練習試合程度の質で、スタッフというよりファンとしてチームを応援していた。ただ、「おらが町のチーム」という感じが非常に強く、子供の頃からあの環境でサッカーに係われることは非常に恵まれていると改めて感じた。同様に、ドクターなどの係員も空いている席で試合観戦しているほど。ハーフタイムには年少の幼稚園児と思われる子供がミニゲームをしていて、何とものどかで微笑ましい。会場の内外を含め、それ以外のアトラクションやイベントのようなものは特に見られなかった。 3. 観戦 (1)観客の様子と試合の雰囲気 我々が観戦したのはバックスタンド1階の前列指定席(23ユーロ=2,760円)だが、席列に入り込もうとすると、周囲の観客から「空いている所に座れ」というようにたしなめられた。観戦エリアがいつも決ま
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