欧州におけるサッカースタジアムの事業構造調査2008報告書
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イベントチケットはACL社が、Ticket Master社と組んで、販売する。ただしコベントリー・シティFCのチケットだけは、クラブが販売している。 図13:コンサート(施設の公式HPより) 12 経費関連-光熱費、芝管理 光熱費が年間1.1百万ポンド(2.3億円)かかっている。その54%がエアコン。さらに英国では向こう12ヶ月で光熱費が30%アップすることになっている。この事態に対処するために、専任のマネージャーを雇い入れた。 芝生の管理費用は月1,500ポンド(31万円、人件費を除く)。このコストで3カ所(スタジアム、トレーニング・グラウンド、アカデミーセンター)、5面の芝生を管理している。 スタジアムの芝生は、人工芝と天然芝のミックス。地下に温水システムを埋設してある。また屋根の一部を透明なポリカーボネイトとして、日照を確保している。3年に1度、1mの深さで土壌ごと取り替えることになっている。 13 施設へのアクセスなど 公的補助を受けたこともあり、来場者の75%以上が自家用車以外の手段を使うよう義務づけられた。市はGreen Travel Proposalと名付け、パーク&ライド4、パーク&ウォークを工夫した。これらにはロンドン市も注目しているという。 鉄道駅の設置も開発時に義務づけられたが、これはまだ実現していない。今後18ヶ月以内にできる予定とのこと。いまは6マイル離れた駅から、シャトルバスを走らせている。スタジアムから幹線道路をくぐって駅予定地にいたるアーチ道だけが、先行して工事を終えていた。 また来場者が違法駐車で周辺居住者に迷惑をかけないよう、厳しく取り締まるようにしているという。 リコー・アリーナの地域への影響力 14 地域の学習センター リコー・アリーナ内に設けられたコミュニティ・スペースを使って、地域の子供たちに学習機会を与えている。 職業を意識した教育 ・ 16~18歳が対象 ・ コベントリー・シティFCの職員が、スポーツビジネスについて教えることもある Playing for Success ・ 7~14歳が対象 ・ 英国政府、サッカー協会、プレミアリーグが共同で提供するプログラム ・ スポーツ施設を利用して学習促進をはかる ・ 読み書き計算、IT技術の習得 ・ 平日の放課後実施 ・ 子供たちの費用負担は、ない 課外授業 ・ 平日の授業時間に、地域の学校から子供たちが学習に来る ・ 学校からアリーナまでは、送迎バスが出る ・ 1クラス年間190ポンド必要だ CASE 4; RICOH Arena, (Coventry, England), ver.5 p.11 Copyright ©Japan Professional Football League / Research Institute for Sport Business, Waseda UNIV 2008, All Rights Reserved 4 調査者が2日間滞在する間も、大型バスで訪れる団体客が多かった

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