図6:開発資金調達の概念図 スタジアムショッピングセンターカジノ、ホテルNCホールディング公社コベントリー市NC再開発公社ヒッグスチャリティA C L 社クラブAWM, ERDF, NRFテスコ社カプリ社等13.79.82122.21.859.411.4119.882.043.6 (単位は百万ポンド) CASE 4; RICOH Arena, (Coventry, England), ver.5 p.8 Copyright ©Japan Professional Football League / Research Institute for Sport Business, Waseda UNIV 2008, All Rights Reserved リコー・アリーナの管理・運営 5 ACL社の決算資料より リコー・アリーナを運営するACL社は、2007年5月期決算で単年度黒字を計上した。 売上6.4百万ポンド(13.3億円)、営業利益92.6万ポンド(1.9億円)、純利益86.8万ポンド(1.7億円)。アリーナの開業(2005年8月)から2期目での快挙だ。 表 3:ACL社 2007年5月期決算概要 出典:ACL社の決算報告書 百万ポンド 億円売上 6.44 13.3一般管理費 (5.51) (11.4)営業利益 0.93 1.9固定資産処分益1.25 2.6支払利息 (1.50) (3.1)受取利息 0.19 0.4当期未処分利益0.87 1.8 純資産 (2.74) (5.7) その中で目をひくのは支払利息の大きさで、1.4百万ポンド(3億円)は、売上高の21%におよぶ。営業利益0.9百万ポンド(1.9億円)では利息をまかなえず、固定資産処分益で、当期赤字を免れた格好だ。 ACL社はリコー・アリーナ建設時、21百万ポンド(43.5億円)を借り入れて、資金集めに貢献した。金利5%と想定すると、1百万ポンド強の支払利息となる。但しこのスキームにより同社は、施設の直接所有に由来する負荷(減価償却、修繕積み立て、固定資産税等)を免がれている、とも言えるだろう。 当期(2008年5月期)の売上は7百万ポンド(14.5億円)を見込んでおり、実現すれば前年比10%増となる。 同社のやや詳細な決算資料を、資料編に掲載する。 6 ACL社の経営概況 リコー・アリーナは、展示場、カンファレンス施設、ホテル、カジノなどを含む複合施設であり、運営するACL社の収入源も多岐にわたる。 ACL社のCE、Gidney氏は「サッカーがすべて。でも試合は、年間25日しかない。
元のページ ../index.html#67