欧州におけるサッカースタジアムの事業構造調査2008報告書
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そのための備品の搬入搬出口、場内を移動させる経路など、スタジアム設計時から考慮されている。 ステージはピッチ上でなく、客席部またはゴールラインと客席の間に設置する。イベントの大きさ、すなわち見込み観客数(25千人、30千人、50千人規模など)に応じて、数種類のステージ設営を選ぶことができるたとえば卓球やバトミントンなど室内競技の場合、ゴールラインと客席の間に競技コートを設け、周りをカーテンで仕切って、演出する。このとき客席とゴールラインを仕切っている溝がせりあがって、イベント設営を助ける設計になっている。 図 6: ゴールラインとスタンドの間に、広いスペースを確保。車両も進入できる。 図 7:ピッチとスタンドを、溝が隔てる構造。 図 8:必要なときは、溝がせり上がる。 大イベントで代表的なのは、ダンス大会で、およそ45,000人の参加者が、21時から7時頃まで盛り上がるという。小イベントとして、企業が商品展示やプレゼンテーションなどを開催するケースが多い。 サッカー以外のスポーツ-格闘技のK-1、スノーボード、アーチェリー、バスケットボールなども開催する。アメリカン・フットボール、アムステルダム・アドミラルズの、ホーム・スタジアムでもある。 CASE 3; Amsterdam Arena, (Netherlands), ver.5 p.9 Copyright ©Japan Professional Football League / Research Institute for Sport Business, Waseda UNIV 2008, All Rights Reserved 8 芝生の管理 ピッチを使うイベントやコンサートの開催は、芝生が傷んでも困らないサッカーのシーズンオフ期、すなわち6、7月が中心となる。 シーズン中に開催する場合は、イベントを4日間実施して、翌日に芝生を張り替え、その3日後にアヤックスの試合を入れるサイクル。張り替えは作業に24時間かかる。張り替え費用は10万ユーロ(1.6千万円)程度。 芝生はシーズンの変わり目に毎年、張り替える。シーズン中でも2~4回の張り替えが必要。 「アレナ」は芝生の生育に必要な日照、通風がいずれも不足している。冬場には、ほとんど日が差さない。また風もほとんど通らないので、ピッチ脇にファンを置いて

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