欧州におけるサッカースタジアムの事業構造調査2008報告書
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クラブ関連会社によるスタジアム運営 5 運営体制 バーンデン・レジャー社が、スタジアムを所有している。クラブ、ボルトン・ワンダラーズFCは、同社の100%子会社である。クラブはディベア・グループと合弁で、BWホテル社(Bolton Whites Hotel Ltd.)を設置している。 図 5:運営体制(青地の部分が、クラブ関連会社) 50%(senior)所有ボルトン・ワンダラーズFCバーンデン・レジャー100%所有ディベア95%:E.Davies氏5%:6,000人の株主BWホテル50%所有 クラブはBWホテル社の株式を50%ずつディベアと分け合っているが、テクニカルな方法で上位株主の立場を確保しているという。 クラブとBWホテルは、バーンデン・レジャー社の連結対象となっている。すなわちスタジアムは、クラブ関連会社によって運営されている。従ってスタジアムの運営状況は、クラブの経営状況の一部として、連結決算報告書に示される。 6 クラブの経営概況 バーンデン・レジャー社の、2007年6月期の決算概要は、次の通り。 · 売上51.1百万ポンド(105.7億円) · 純損失2.1百万ポンド(4.2億円) · ホテル事業の売上比率17% · 支払利息3.4百万ポンド(6.9億円) · 固定資産の減価償却83万ポンド(1.7億円) またDuckworth氏は、当期(2008年6月期)の目標として、次の数字をあげた。 · 売上50~60百万ポンド(103.6~124.3億円) · 純利益5百万ポンド(10.4億円) · ホテル事業の売上10百万ポンド(20.7億円) 現在の事業構造に関するクラブの自己評価は、 「最初にスタジアムだけを建設した時点で、クラブは35百万ポンド(72.5億円)の投資をした。その結果、大きな運営負荷を負った。スタジアムの安定運営のためにも、新しい事業が必要だった。 ホテルと貸しオフィスのお陰で、サッカー以外の収入が生まれ、クラブとして安定した。たとえ降格しても、クラブを存続させることができる」。 CASE 2; Reebok Stadium, (Bolton, England), ver.5 p.5 Copyright ©Japan Professional Football League / Research Institute for Sport Business, Waseda UNIV 2008, All Rights Reserved

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