図 2:スタジアムと周辺開発の位置関係 (現地調査時にクラブから入手) 住宅 スタジアム ショッピング モール スポーツ コンプレックス 高速道路 駅 鉄道 CASE 2; Reebok Stadium, (Bolton, England), ver.5 p.3 Copyright ©Japan Professional Football League / Research Institute for Sport Business, Waseda UNIV 2008, All Rights Reserved スタジアムの建設 1 建設までの経緯 ボルトン・ワンダラーズは1895年以降、市の中心部にあるバーンデン・パークを拠点としてきた。1980年代、クラブが困窮し、スタジアムの一部を切り売りして糊口を凌いだこともあった。 他方英国では1990年、テイラー・レポート7が発行され、スタジアムの安全基準が大幅に引き上げられた。その後、基準に合致するスタジアムを持たないクラブは、成績と関係なく、下部リーグに降格することになった。 クラブはバーンデン・パークの改築も検討したが、調査の結果、難しいと判断。1990年代初頭に郊外移転計画を策定し、市に支援を要請した。 7 英国シェフィールドで1989年4月15日、96人ものサッカーファンが圧死する「ヒルズボロの悲劇」が起きた。テイラー・レポートは、この事故の原因を究明し、対策を提言したもの。提言は行政化され、その後のスタジアム安全基準に、大きな影響を与えた 市は、西郊にある220エーカー(81ha)の炭泥湿地を開発し、経済価値を高め、事業を誘致し、雇用を創出する計画を持っていた。しかし単独では難しいと感じ、民間事業者の参入を待ち望んでいた。そこにクラブの移転申し入れがあり、事業が本格的に動き始めた。 市はその後、開発業者としてオービット社を選定。同社、市、クラブがパートナーシップを組んで、開発事業を推進した。 1995年、スタジアムに着工。1997年9月、スタジアム、シッピングモール、パーキングが揃ってオープンした。2000年には追加工事したホテルが開業した。 図 3:ショッピングモールからスタジアムを望む
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