欧州におけるサッカースタジアムの事業構造調査2008報告書
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調査概要 調査日 : 2008年3月2日(日)、3日(月) 主な面談者 : 所属 肩書き 氏名 Chief Executive Mr Allan Duckworth Finance Director / Company Secretary MsPaula Mulligan ACMA Bolton Wanderers Football and Athletic Company Ltd. Facilities Director Mr Jan S. Kozlowski 本稿における主要関係者 バーンデン・レジャー社 : Burnden Leisure Plc4。クラブの株式を100%保有する親会社。 クラブ : Bolton Wanderers Football and Athletic Company Ltd.5。サッカーチーム、ボルトン・ワンダラーズの運営会社。 BWホテル社 : Bolton Whites Hotel Ltd。クラブとディベア社の合弁会社。スタジアム内ホテルを運営している。 オービット社 : 市、クラブとともに、都市開発事業に参加。エマーソン・グループ(英国の総合開発企業)の子会社で、商業施設開発を専門とする。 ディベア社 : De Vere Group plc。英国の大手ホテルチェーン。2006年9月、Alternative Hotel Groupに買収された。 Davies氏 : Mr. Edwin Davies OBE6。資産家でクラブのオーナー。 Gartside氏 : Mr. Philip A Gartside。クラブのChairman。 CASE 2; Reebok Stadium, (Bolton, England), ver.5 p.2 Copyright ©Japan Professional Football League / Research Institute for Sport Business, Waseda UNIV 2008, All Rights Reserved 4 Plc=Public Limited Company 株式公開企業 5 Ltd =Limited 株式非公開企業 6 OBEは英国勲章でランクはオフィサー 要約 1990年代、郊外を再開発したい市と、その地域に新スタジアムを求めたクラブの思惑が合致して、プロジェクトが実現した。 スタジアムの建設は、クラブの持株会社(バーンデン・レジャー社)が主体となって推進した。まずスタジアムを建設し、その後スタンド下を利用して、ホテルと貸しオフィスを追加した。 建設コストは計50百万ポンド(103.6億円)。民間から82%、公的セクター(EU、国、州)から18%を調達した。市は資金拠出せず、土地を250年間無償貸与した。 現在、市の中心からおよそ7km離れた郊外200エーカー(81ha)の土地に、スタジアムを取り囲むようにして、ショッピングモール、複合スポーツ施設が開発されている。鉄道駅も設置された。この結果、約5,000の新規雇用が創出されたという。 スタジアムはバーンデン・レジャー社、すなわちクラブが管理している。減価償却、借入金返済などの負担がある一方、ホテル事業によって売上の20%を獲得している。期間損益はトップチームの活躍に左右されるものの、およそ黒字基調の経営といえる。 図 1:リーボック・スタジアム

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