クラブ関連会社によるスタジアム管理 図 5:建設、運営の相関図 ⑨土地は、99年間の専有借用⑩借地代9万ユーロ/年MSV DuisburgVerein“クラブ”MSV DuisburgStadionprojektGmbH & Co.KG“プロジェクト社”MSV DuisburgManagementGmbH & Co. KG“マネジメント社”MSV DuisburgGmbH & Co.KGaA“運営会社”・ゲゼルシャフト法に基づき、3つの会社を100%所有(金銭関係に拠らない所有)②スタジアムを建設③スタジアムの貸与④サッカー以外のイベント業務④サッカー(MSVデュイスブルグの) の運営⑤賃借料⑥賃借料3.6mユーロ/年①建設費(除土地代)45mユーロ出資者(10社)①7.5mユーロを出資州(ノルトライン・ウェストファーレン)①30mユーロに対する、80%の債務保証市(デュイスブルグ)①7.5mユーロを、補助金として拠出⑨土地を貸与⑪スタジアム利用料として9万ユーロ/年を支払い銀行(HSH Nordbank)①30mユーロを融資・25年ローンHellmichUnternehmensgruppe“ヘルミッヒ社”⑦返済・Walter Hellmich氏が、ヘルミッヒ社の社長と、クラブと運営会社の理事長を、兼ねている・ヘルミッヒ社は、運営会社の12%株主で、スポンサー⑧保証料0.1mユーロ/年 6 プロジェクト社 クラブ傘下に3つの会社が設立され、管理、運営スキームを形成している。 スタジアム建設の主体であったプロジェクト社は、スタジアムを所有し、マネジメント社と運営会社に賃貸している。年間3.6百万ユーロ(5.6億円)の収入で、この額は毎年1%ずつアップする予定という。 この収入から建設時の借入を返済している。30百万ユーロ(48.4億円)の25年ローンなので、単純計算で年1.2百万ユーロ(1.9億円)。そのほか支払利息、減価償却負担、大規模修繕への積み立て、固定資産税12等の支払いも必要となる。 スタジアム開業後数年間のプロジェクト社の損益は、減価償却の調節によって、赤字になるように設定されている。現在、約8万ユーロ(1.2千万円)の赤字決算としているが、これにより出資者が税制面で有利になるという。すでに資本を募集する際、「創業から2~3年間を赤字決算とするので、御社の節税にも役立ちます」と約束していたとのだという。 一連の施策はドイツの当局によって、合法と認められているそうだ。 CASE 1; MSV-Arena, (Duisburg, Germany); ver.7 p.6 Copyright ©Japan Professional Football League / Research Institute for Sport Business, Waseda UNIV 2008, All Rights Reserved 12 当局による計算が未了で、支払い実績はない。ブレーマー氏の見込みでは、年3~4万ユーロ(4.8~6.4百万円)程度
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