CASE 1; MSV-Arena, (Duisburg, Germany); ver.7 p.2 Copyright ©Japan Professional Football League / Research Institute for Sport Business, Waseda UNIV 2008, All Rights Reserved 調査概要 調査日 : 2008年2月25日(月) 主な面談者 : 所属 肩書き 氏名 MSV Duisburg GmbH & Co. KGaA GeschäftsführerMr Björn Bremer Hellmich Dipl.-Kaufmann Mr Marc Hellmich 本稿における主要関係者 ヘルミッヒ社 : HELLMICH Unternehmensgruppe。デュイスブルクに隣接するDinslakenに本拠を置く、大手建設会社。 クラブ : MSVデュイスブルク(MSV Duisburg)。MSVアレナを本拠地とするサッカークラブ。 運営会社 : MSV Duisburg GmbH & Co. KGaA3。クラブ傘下で、プロチームを運営する会社。スタジアム運営の主力でもある。 プロジェクト社 : MSV Duisburg Stadionprojekt GmbH & Co.KG。スタジアムを建設し、所有する主体として、クラブ傘下に設立された会社。 マネジメント社 : MSV Duisburg Management GmbH & Co. KG。スタジアムで実施するサッカー以外のイベントを扱う主体として、クラブ傘下に設立された会社。 Verein(フェライン)4、クラブと、運営会社 フェラインは、ドイツ民法が定める法人形態の一つで、ドイツにおける代表的なNPOセクターである。市民が3人以上集まって自発的に行う活動が、一定の条件を満たせば、フェラインと認定される。すなわち公益性を認められ、税制上の優遇措置を受けられる。対象となる活動の種類は、文化、研究、慈善、福祉、動物飼育、植物栽培、スポーツなど、幅広い。またe.V. (エーファー; eingetragener Verein) という法人形態もあり、これはやや厳しい条件を満たして登録されたフェラインで、それだけ大きな優遇措置を受けられる。 ドイツでは19世紀に、体操(turnen)を中心とするフェラインが、盛んに設立された。やがて彼らは、会員に様々なスポーツの機会を提供するために、水泳、ランニング、チェス、サッカー等の部門を追加し、多種目化していった。 20世紀にはいるとサッカーが人気を集め、次第に各地のフェラインで中心的地位を占めるようになった。 そしてこの10数年、サッカー産業の規模が急拡大したことに伴い、多くのプロサッカーチームが、公益法人から会社へと、法人形態を変更した。大きな収入を適正に管理し、さらなる収入拡大をめざすために、会社組織が選ばれたのだ。こうした動き 3 GmbH(ゲーエムベーハー)は、ドイツで一般的な法人形態で、日本語としては「有限会社」が定着している。Co.KGは、有限会社が無限責任社員になっている合資会社。GmbH & Co. KGaAは、有限会社が無限責任社員になっている株式合資会社 4 Vereinを辞書であたると、①会、協会、団体、結社、学会、クラブ、②[法律、法学]社団法人、③連合、合同、共同とある。日本表記は「フェライン」が多いが、「フェアアイン」の方が現地発音に忠実。なおJリーグ企画部による2005年のレポートを参考文献として添付する
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