欧州におけるサッカースタジアムの事業構造調査2008報告書
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Arena-Union 『Bundesliga-Magazin Nr.1 1/2008』pp.44-45 スタジアム経営者の連合組織が誕生 ドイツ・スタジアム経営者協会の設立総会が、11月初旬に、ライプツィヒで開催された。協会の責任者たちは、今後、意見交換や共同発表の機会を、さらに増やしたいと考えている。 フランクフルトにあるコメルツバンク・アリーナのヨアヒム・E・トーマス氏、サッカークラブのボルシア・ドルトムントのDr. クリスチアン・ホッケンヨス氏、MSVデュースブルクのビヨルン・ブレーマー氏は、それぞれ異なる分野の仕事に就いているにもかかわらず、すべてのサッカーファンがうらやむような共通点を持っている。それは、彼らが自分のサッカークラブのスタジアムに立ち入るための鍵を持っているということである。彼らは仕事が終わった後に、その気になれば、誰もいない競技場で、ゴールに何本かシュートを打つこともできるのである。 先ごろ、ヨアヒム・E・トーマス氏、Dr. クリスチアン・ホッケンヨス氏、ビヨルン・ブレーマー氏の3名は、これまでとはまったく異なる、新たな試みを行なうことで一致した。すなわち、今後2年間、彼らは、11月12日に設立された登記済社団ドイツ・スタジアム経営者協会の第1番目の理事会の構成員となるのである。当初、協会の会員数は26だったが、この会員たちは、第1回目の会合を行なうために、サッカーに関して歴史的な場所を探した。そして、かつて1900年に、ドイツサッカー連盟が結成されたライプツィヒで、ドイツ・スタジアム経営者協会の設立総会も開かれることになったのである。ライプツィヒのセントラルスタジアムのヴィンフリート・ロンツェン氏は、それよりも前に行なわれた、ある会合で、協会の会員たちに、ライプツィヒで設立総会を行なうことを提案した。セントラルスタジアムの経営会社の経営責任者であるロンツェン氏は、「その提案は、確かに、ふさわしいものだった」と語った。ただし、設立総会にお祝いムードは漂っていなかった。ボルシア・ドルトムントの管理・組織部門の部長であり、同時に、ジグナル・イドゥナ・パークスタジアムの経営責任者であるDr. クリスチアン・ホッケンヨス氏は、「シャンペンもキャビアもなかった」と、その様子を振り返っている。同氏は、「われわれは朝から夕方まで会議を行い、途中で、あわただしく昼食を取った」と話している。 ドイツ国内のスタジアム経営者たちが連携するのは、今に始まったことではない。すでに何年も前から、いわゆる「スタジアム経営者委員会」という作業部会が存在していたが、この部会では、ドイツ代表チームの国際試合が開催されるスポーツ競技場の準備が行なわれていた。これと並行して、ドイツでは、2005年のコンフェデレーションズカップと2006年のワールドカップの前に作業部会が設立され、当初、この部会では、ワールドカ Arena-Union p. 1

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