り、公式ウェブサイトを通じて積極的なセールスが行なわれている。 図 8 シティ・オブ・マンチェスター・スタジアムの座席増築工事イメージ15 同じく、コモンウェルス大会水泳競技の会場として建設されたアクアティクスセンターでは、移動式の床を整備し、観客席の増設を可能とした。この機能により、今後も同規模の大会を誘致することが可能である。大会利用時以外は、公共施設として市民への一般開放を行なっている。ウォータースライダーなどのレジャープールやフィットネスセンターが設置され、幅広い世代、ニーズに応じた利用が可能となっている。 他にも、北京国家体育場では、オリンピック終了後にミュージアムとホテルが建設される計画がある。 設計デザインと社会とのマッチング(社会的持続可能性) Parrish氏は、「デザインを検討していく上で大事なことは、革新性(innovation)や技術(technique)、伝統(tradition)に配慮すること。それらがその地域社会にマッチする、または新しいコンセプト(ビジネスプランを含む)がその社会とインテグレートできるよう考案することが大事だ。」と述べた。 例えばアリアンツ・アレナでは、外壁に特殊フィルムのETFEを使用したことにより、壁全体が光り輝く美しいイルミネーション16を可能にした。さらに、この素材は日射透過率が90%であることから、芝生を育成するのに非常に都合が良い17。「こうした革新的なデザインと技術が評価され、アリアンツ社からのネーミングライツを獲得につながった。」とParrish氏。 バレンシアの新スタジアムでは、上空から見ると円形状のイメージに仕上がっている。これは、スペインの伝統である「闘牛場」をイメージしたからとのこと。メタリックな膜を重ねたような外観は、見る人に強いインパクトを与える。また、膜の隙間からスタジアムの光がこぼれるようデザインされており、夜はスタジアムが美しく輝く。 14 イングランド・プレミアリーグ所属。オーナーは元タイ国首相のタクシン氏。 15 インタビューを元に作成。 16 赤いイルミネーションは、バイエルン・ミュンヘンのホームゲーム。同じく青は1860ミュンヘン、白はドイツ代表戦。 Arup Sport; ver.3 p.7 Copyright ©Japan Professional Football League / Research Institute for Sport Business, Waseda UNIV 2008, All Rights Reserved 17 旭硝子WEBサイトより。通常のガラスの日射透過率は80%とのこと。
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