Ⅱ‐1.セビージャFC Jリーグ イレブンミリオンプロジェクト 欧州視察報告(2008年1月実施) 6 ⑤その他 ⑤その他 スタジアムの外壁には、1982年のワールドカップ・スペイン大会開催時に作られた特大メモリアルパネルが設置されてあり、セビージャFCのホームスタジアムとしての風格と威厳、重みを感じさせる。また、スタジアム内外の多数の場所にクラブカラー、エンブレムが施されており、ホームスタジアムの雰囲気を感じることができる。スタジアム内にはミュージアムも併設されており、クラブの歴史も知ることができる。日本のスタジアムは、市や県が管理・所有することが多く、セビージャのようにクラブの持ち物ではないため、クラブカラーの露出や、クラブの歩み、歴史を感じさせるための仕掛けを作ることは簡単ではないが、こういう細かな演出が、クラブに対する忠誠と愛着を生んでいく要素になっているのだと感じた。 (3)クラブスタッフとの質疑応答で 印象に残った事項 ◆キックオフ時間の決定が 試合10日前にならないと分からない 日本ではシーズンスタートの約1ヵ月半前には前期の試合スケジュールが、キックオフ時間やTV中継を含めて決定し、ほぼ間違いなくそのスケジュール通りに開催される。しかし、スペインではTV中継の関係で10日前にならないとキックオフ時間が決定しないということに驚かされる。 と同時に、サポーターや観客からクレームがないという状況にも驚かされた。日本であれば、間違いなくクレームの嵐だが、これもラテンの血がなせるものなのか・・・。 ◆21:00からのキックオフ お祭りの週末ということもあるからだろうが、21時にキックオフでも、子どもの観客も多く、普通に観戦している。日本であれば、教育委員会やPTAからの苦情、クレームの嵐を予想するにたやすい。聞けば、スペインでは21時は日本の18,19時くらいの感覚で、バーなどに繰り出すのも23時くらいだとのこと。時間軸も日本とは違うようだ。 ◆成績によって シーズンチケット会員の数が激減する スペインなどヨーロッパのクラブは、それぞれのエリアで歴史があり、勝敗に関係なく、どんな時でも応援をしてくれるサポーターがいるというイメージを持っていた。 しかし、セビージャFCでも2部降格などの事態に追い込まれれば、シーズンチケット会員数が前年比の50%ダウンまで落ち込むという事実に驚きを覚えた。 そのため、成績が集客の最大の要素であり、その表れとしてクラブ運営費の実に80%が選手人件費に消えているという。 また、2部から昇格したクラブのその年のシーズンチケット会員数は伸びるが、翌年1部に残留したスタジアム内の様子特大メモリアルパネル
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