イレブンミリオンプロジェクト欧州視察2008報告書
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Ⅱ‐1.セビージャFC Jリーグ イレブンミリオンプロジェクト 欧州視察報告(2008年1月実施) 5 舗の大きさを考えれば多くなく、レジ前で並ぶ列も長かった。キャッシャー自体は3ヶ所にあったが、スタッフが空いているキャッシャーを案内するでもなく、それに対してお客も文句をいうわけでなく、日本での対応との違いに少しラテンの血を感じた。 ②チケット販売ブース グッズショップの横にチケットブースがあり、次のホームゲームであるバルセロナ戦(国王杯)のチケットを販売。日本で通常見られる独立式のテントでの販売ではなく、スタジアム内に設置されたブースから馬券や宝くじを購入する時のような小窓から受渡しをする形式。とても簡素で、販売所周辺の壁には2007年8月に22歳で亡くなったプエルタ選手を偲ぶ落書きが多い。 ③入場システム チケットすべてにバーコードが入っており、入場時に駅の改札機のような機械に差し込み、異常を知らせる赤いランプが点滅しなければ入場できるシステム。シーズンチケット保持者には、1試合ごとのチケット束が渡されるのではなく、カード式のチケットが渡される。紙のチケットと同様、改札機にカードを差込んで入場できる。改札機は、リーグがクラブに提供しており、バーコードから読み取った情報を、クラブの集客に役立てることができるよう、情報がフィードバックされるとのこと。 Jリーグでも、来場履歴を集客に活かすため、同様のハードを導入しているクラブもあるが、初期投資、ランニングコストがかかるため、全クラブで導入するというわけにはいかない状況にある。Jリーグとしても、リーガ・エスパニョーラが採用しているようにリーグ全体で同様のシステムを導入する計画があるとのことなので、期待している。 また、この改札機は(回転ドアのような)ローリングバー方式になっているターンスタイルで、一人ひとりが押し合わず、ゆっくり入るシステムである。 ④スタジアム内 座席は簡素なつくりで、席間も狭い。VIP席にはクッションが付いていたが、これもまたつくりは簡素で、特別感はあまり感じない。しかし、傾斜角があるため、4万5,500人収容のスタジアムながら大変コンパクトで、フクアリくらいの感覚。最上段はさらに傾斜角があり、高所恐怖症の人や老人には厳しいつくりとなっている(最上段へのエレベーターなし)。 コンコース上はコンクリートのうちっぱなしでデコボコしており、味があるといえばそうかもしれないが、お世辞にもキレイとはいえない。現在、スタジアム改築計画があり、増席するとのことだったが、それに伴いこれらの観戦環境が整備される予定はないとのことだった。 スタジアムに併設されたグッズショップチケット販売ブース

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