イレブンミリオンプロジェクト欧州視察2008報告書
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Ⅲ-4.プレミアリーグ Jリーグ イレブンミリオンプロジェクト 欧州視察報告(2008年1月実施) 特にテレビの中継関係の設備に対する要求が高まっており、年々少しずつ改善している。実況用のブース・中継台を30、うち18を英国の放送局に割当て。ただしポーツマスのフラットン・パークのような小さいスタジアムでは制約があり、対戦カードによってはメディアから要求に応えられないケースもかなり出てきている。ピッチサイドに5つのテレビ中継用のポジション、ハーフウェイライン付近にテレビモニター付きの15のラジオ放送ブース ピッチサイドカメラマンのためには試合ごとに最少20枚のパスを発行すること。遠くからでもどこのカメラマンか識別できるように番号入りのビブスを着用してもらうこと(メッセンジャーは区別)。 作業・ワイヤールーム: ワイヤリングを事前に整えておき、メディア関係者は当日持参した機材のジャックに接続するだけで取材のスタンバイができるようになっていること。最低20平方メートルの広さ、8 つのISDN 回線、16の電源取得ポイント、テレビモニター、作業ステーション、軽食・スナック・ドリンクコーナー。 クラブがピッチに入れるトレーナーについても事前に申告が必要。ハーフウェイラインから等距離にある、屋根付きの11人以上座れるスペースを設けること。トイレについても各地域の安全認証機関から要件が出されている。身障者用の設備については新装・改装を行う際には必ず要件を満たすようにしなければならない。 大型スクリーンでの上映ルール(物理的な設置要件に加え): 議論の対象となりそうな出来事のリプレイは上映しない、レフェリーのジャッジに疑問を呈するような出来事のリプレイは上映しない、トレーナーのベンチの様子は上映しない、交代選手のウォーミングアップの様子は上映しない、試合の信用を失墜させるようなことについては上映しない。 ベンチの監督や交代選手を映さないというのはピッチに集中してもらうため、ピッチ外の様子は映す必要がない、というのが基本。具体的な理由としては、これらは監督と選手(ウォームアップ中についても試合に入る前なので)のプライベートな空間であるという認識をしていて侵害すべきでないと考えている。これらの規定は細かく決めすぎではないかという声もあったが、特にクレームはでていない。 (5)ピッチに関する規定 完全に屋根で覆われたスタジアムは存在せず、PLの役員会の承認なしでは建設・使用できない。もし申請があれば前例がないので役員会を招集し妥当かどうかの判断をすることになると思われる。 ピッチサイズ:プレミアリーグ: 長辺100m ~110m、幅 64m ~75mと少し許容範囲あり。UEFA主催ゲームについては: 105m x 68m と規定。 冬季のピッチの降霜・凍結を防ぎ、ピッチを保護するためヒーティングもしくは代替措置を施すこと。 ピッチコンディションを最善に保つために最近導入したルール: 試合前後のウォームアップ・ダウンの時間に制限。キックオフから45分以前は使用せず、ウォームアップは30分以内。ペナルティエリアを保護するために移動式のゴールを本来のゴールの並びなどに設置してウォームアップを行う。試合前に散水する必要がある場合には必ず審判団の許可が必要で、必ず全面にまんべんなく撒くこと(以前は半面だけ散水して、アウェイチームが滑りやすくするようにしていたケースもあった)。PLとしては完全に人工芝のみのピッチは認めていない。数%程度一部人工芝を組み合わせているピッチはある。お金を人工芝に掛けるのではなく、天然芝のピッチの良いコンディションを保つことに注力。 (6)投光照明 薄暮試合でも必要となることが多く、以下の要 52

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