Ⅲ-4.プレミアリーグ Jリーグ イレブンミリオンプロジェクト 欧州視察報告(2008年1月実施) あり、現在、このアカデミー制度が効果的に機能しているかどうかについて議論がなされている。その中で、制度自体は問題ないが、ヨーロッパの中でみてコーチのレベル、コーチのスキルアップに問題があるのではないかという意見があり、これを見直さなければならないという段階にある。これはクラブレベルの問題ではなく、FAが指導者養成のプログラムを見直し、対応していく必要があるのではという話し合いがなされているところ。 (17)質疑応答 ①質問 Q.日本は島国のため、こういったフェスティバルのような国際経験の機会をなかなか創れない。参加しているプレミアのクラブの基準、また招待チームの選択基準はどのようになっているか。 ②ハイアム氏回答 基本的にクラブ側の意志による参加。PLが募るのではなくシーズン開幕直前でちゃんと選手をそろえて出場することを確約できると手を挙げるクラブは限られている。U-18のアカデミーリーグの優勝チームは毎年米国ダラスで開催される権威ある大会に英国チャンピオンとして出場する資格がある。このほかにもいろいろな機会を創って、国外の対戦相手と試合ができるように取り計らっている。あるとき、日本のチームを2つ呼ぶ話が進んでいたが、自爆テロの懸念から話が流れた。基本的に年1度開催(プレシーズン後半)であるがクラブの事情で参加できたりできなかったりする。 フットボール部門 マイク・フォスター氏 9.スタジアム関連規定 (1)所有権 クラブが年間を通して確実に試合を運営できる環境にあることが望ましい。そのためにはクラブがスタジアムを所有していることがベスト(練習場についても同じ)。所有していない場合はクラブが所有者より、年間を通してホームゲームが問題なく開催できることについての契約を取り付ける。確か、現在のプレミアリーグの全参加クラブはスタジアムを所有している(クラブ自身ではなく、管理運営を行うためのクラブの別会社が所有者になっている場合もある)。他のクラブとの共有はプレミアリーグの試合が優先権を持っていれば認められる(例:レディングがマデイスキースタジアムを地元のラグビークラブと共有)。スタジアムの移転はクラブの意志だけでは行えず、PLの役員レベルの承認が必要。承認されれば移転可能、(例:サンダーランド、ダービー、ウィガン、レディング、ただしこれは全て同じ地域内での移転)イングランドでは米国のようにオーナーが替わって全く違う地域に本拠地が移転するというフランチャイズ制は存在せず、認められない。 (2)安全性 サポーターにとっての安全性についてはPLが直接関与・管轄しているのではなく、政府、および地元行政が定める要件を各クラブが満たしているかどうかがポイント。過去にスタジアムにおいていくつかの悲劇が起こったため、1975年に収容10,000人を超えるスポーツの競技施設における安全性のための基準法令が発せられ、サッカーに関してもこれを満たすように各クラブが対応。これらを満たすことで地元行政機関から安全面の認証が毎年発行される。この認証をもってクラブがホームゲーム 50
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