イレブンミリオンプロジェクト欧州視察2008報告書
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Ⅲ-4.プレミアリーグ Jリーグ イレブンミリオンプロジェクト 欧州視察報告(2008年1月実施) ー施設、トレーナーやコーチ専用の更衣室、トイレ、シャワー施設、40人分の宿題や勉強をするエリア、保護者用のラウンジ、システム化された生徒の登録記録、-FAおよびプレミアリーグへのインターネット接続とEメールを送受信できる環境。 (6)スタッフ要件 教員の資格を持ち、小学校や中学校での指導経験があるフルタイムの教育・福祉担当責任者1人。有資格の医療施術士(必要に応じて呼ぶオンコールベース)。それぞれの指導セッションで最低10人の生徒に1人あたるよう人数のフルタイムかパートタイムのコーチ。また、生徒をスカウトしてくる担当者を地域内、地域外担当にそれぞれ。ゴールキーパーコーチ(フルタイムかパートタイム)。多くのクラブが他にリクルート担当者やフィットネスコーチ、スポーツ心理学者も交え、必要に応じて、栄養士や特定の医療専門家も。 (7)年代構成 U-9~U-11: プライマリー; 8対8、サイズの 小さいフィールド・ゴールで U-12~U-16:セカンダリー; 11対11のゲーム、ピッチは標準より小さい。 (フルコート11対11となるのは14歳から) U-18: アカデミーユースリーグ この年代から勝ち負けの記録を残すリーグ構成。U-16までは育成が最大の目的なので結果、順位、記録などのデータを取って残すことはしない。勝ち負けは意識させない。 アカデミーからのリザーブリーグへの引き上げ、移行が今後の課題。専門のスタッフを置き、レベルの違いなどへの対応をコーチしているクラブも。 (8)フェスティバル 国内でのユースリーグに加え国際的な親善試合も開催。シーズン開幕前にヨーロッパのトップチームを呼んでミニトーナメント(過去に参加したクラブの例:アヤックス、スポルティングリスボン、コペンハーゲン、PSVアイントフォーヘン、フェイエノールト、バイエルン、レバークーゼン)。違ったスタイルのサッカーに触れるという点で、選手だけでなく、コーチにも重要な経験となる。 国内では各年代別、特に若年代に試合形式などいろいろなバリエーションを設けてスキル向上や実地経験の場を提供。最近では、とある地域で15チームが参加し、できるだけ長時間の試合を経験できるよう、1チームあたり、30分×5本の試合を様々な相手と1日で開催。 クリスマス前に開催されたフェスティバルではU-9、U-10年代で英国北部12チーム、240名参加して、テクニカルスキルを向上するためには理想的な環境で計72試合開催。これらはトーナメントとは呼ばず、フェスティバルと呼ぶことで、結果や賞のためでなく経験を積んで技術を磨くことが目的であることを示す。 (9)選手登録の条件 選手の実家とクラブ施設までの通うために要する時間による。U9-U12では60分内に通える場所に居住していることが条件。年代が上がるにしたがって条件が変わる。これはビッグクラブを中心に議論対象となっている問題。ビッグクラブはネームバリューもあるので、遠方から生徒を勧誘することも可能で、この制約を外してほしいという意見もあるが、高いアカデミーの質を保つには週に最低2、3セッションを必要とするので、この年齢と通学時間による制限は今後も維持される見込み。他国と異なり、クラブの息がかかった他所にある養成施設の存在が認められていないので、上記の条件を満た 48

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