イレブンミリオンプロジェクト欧州視察2008報告書
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Ⅲ-4.プレミアリーグ Jリーグ イレブンミリオンプロジェクト 欧州視察報告(2008年1月実施) このバス内に地元の少年犯罪、ドラッグ、飲酒、また英国で近年問題になっている若年層の妊娠について対応する意識改善のための資料等も置かれる。試合日にもスタジアムにおかれ来場の子供たちが利用できる。いずれかの場所で週に7日活動。写真は手本として、エバートン所属のイングランド女子サッカーチーム代表のGKレイチェル・ブラウンがバスに乗っているところ。子供たちへの影響は大きい。 (7)質疑応答 ①質問 Q.著名な元プロ選手がこのコミュニティ担当をされていることに重要な意味があるのでは? Q.Jリーグも創設から15年経ち、地元に愛されていて引退した選手が出てきているがクラブが彼らにこういった役割をやってもらうことで効果が大きくなると思われるか。 ②モーガン氏回答 過去にクラブがそういったアサインを行った例はいくつかあるが減少傾向にある。ビジネスと不可分になってきており、元選手のバリューに頼るよりも、最善のマネジメントをできるスタッフィングを取ったほうがいいという背景がある。ただ現時点でもリーズとかポーツマスといったクラブは元選手がコミュニティ活動の責任者として活動している。バーミンガムが今、PLに申請してきているコミュニティ活動では元選手6人を使う計画になっているなど、実際の活動の場面では元選手は有効である模様。 6.「フットボールファウンデーション(基金)」 (1)質疑応答 ①質問 Q.日本ではJリーグ、日本協会、その他の団体がそれぞれ独自にお金をだして草の根活動が行われているが、縦割りになっているために効率が悪いのかもしれない。フットボールファウンデーションはそういったことのないように創設されたものでは? Q.その目的、組織や機能は? ②モーガン氏回答 (別途フットボールファウンデーションの説明パンフレットが提供された) この名称になってから約10年。その前身としてフットボールトラストというものがあったが、その資金源はサッカーくじからの収益のみであった。その当時は草の根活動へではなく、サッカー界の安全面の向上に資金が使われた。 ファウンデーションへの資金の提供元は主に3つ。PL、英国政府およびFA。それぞれが年額、1,500万ポンド(33億円)(今後3年間固定、決定した当時の放映権の5%ということで政府も含めて合意。3年後にまたそのときの放映権収入の金額をベースに決定することになる)ずつ、総額で、年4,500万ポンド(99億円)資金提供し、役員も派遣している。 最も大きな目的は、プロリーグの収益金を草の根、少年少女のサッカーや週末のアマチュアサッカーなどに還元すること。また、そのために施設の充実のために資金を充て、それらの施設を使って、サッカー以外でも老若男女、障害者を含め誰でも参加できるようなイベントを開催すること。 各イベントの主催団体が活動内容をファウンデーションに申請。シーズンごとに役員が割当を検討し承認されれば資金が配分される。瞬間的なプロジェクトには資金提供がなされない。最低でも3年間持続可能な活動であることが申請の条件。施設建設に使われる場合は、もっと長い期間に対して使われたことになる。 45

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