Ⅲ-4.プレミアリーグ Jリーグ イレブンミリオンプロジェクト 欧州視察報告(2008年1月実施) サッカーだけでなく、他のスポーツ、クラブのファンなども巻き込むことが肝要。各地域のクラブをハブに使う。クラブの施設を利用したり、各地域のボランティアの人の参加を募ったりする。 (6)活動例 ①「キックス(KICKZ)」 社会から漏れている人を取り込むことが目的。地元クラブ、団体、警察と提携して行う。10代の少年少女による非行や反社会的行為への対応。更正の機会を提供。彼らと地元警察の関係を良好にするということが大きな目的。子供たちが警察や地元団体に対して敬意を持つように意識改善。1週間に2セッション、年48週開催。前年比、非行(軽犯罪)が33%減少、反社会的行為が48%減少。 ②「リーディングスターズ」 子供たちの読解力を高めるため全国的な団体と提携。子供たちが選手を身近に感じるように各クラブが「リーディングチャンピオン」となる選手を1人選出。写真はアーセナルのフィリップ・センデロスが図書館を訪れたところ。 子供たちは本に親しむため無料の本を受け取ったり、図書館を訪れたり、著名な作家に会ったりする。毎年1,100名以上が参加。95%の子供たちがよく本を読むようになったと回答。 ③「PLAYING FOR SUCCESS」 試合日以外にもクラブを身近な存在として意識してもらうため、クラブの施設内に子供たちが訪れて利用できるクラスルームと呼ばれるスペースを用意。普段学校の成績が良くない子供、学習能力に障害のあるような子供が対象。学校ではうまくいかない子供たちがこのルームを利用することで学習意欲を高め、成績向上の機会をサッカーを通じ提供。地元のクリケットのチームなどもクラスルームを保有。全国区で150ヵ所。サッカーを通してIT、読み書き・計算の基礎学力を身につける。20万人程度が参加し成果をあげている。 ④「ヘルシースクール」 最近始まった新しい活動。子供たちの肥満率が過去最高であることが背景。各クラブにブランディングを施したバスを提供。子供たちに正しい食生活を啓蒙。何を食べたらいいか、何を飲むべきかを広めるだけではなく、体を動かすことの大切さも説く。クラブのブランド、人気を利用。バスは平日の放課後などに利用。 44
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