イレブンミリオンプロジェクト欧州視察2008報告書
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Ⅲ-4.プレミアリーグ Jリーグ イレブンミリオンプロジェクト 欧州視察報告(2008年1月実施) うち、1,500万ポンド(33億円)相当は国内で最大のスポーツ関連基金、フットボールファンデーションに提供。FAからも同様に資金提供があり、地域のインフラ改善などの目的に使われる。通算総額5億ポンド(1,100億円)がフットボールファンデーションに対して提供され、その資金を利用して、過去10年間、地域ベースで4,000のプロジェクトが行われている。 他に計3,000万ポンド(66億円)が選手協会等の機構へ、また近年は国際的なプロジェクトへも提供。 コミュニティ活動は20のPLクラブを通して行われるが、他に18の登録慈善活動団体によるものもあり、年総額7,300万ポンド(160億6,000万円)が使われている。今シーズンはさらに別枠で430万ポンド(9億4,600万円)の追加資金を提供し、各クラブによる国内地域に根ざした社会貢献活動に割り当てられる。 (3)コミュニティ活動を行う理由 国民的スポーツとして、特に若年層にサッカーは、また特にプレミアというブランドを通して、多大な影響を及ぼすことができる。問題のある子供たちの更正に関して、他の手段が有効でない場合もサッカーに関連した活動により心を捉えチャンスを与えることができる。必要に応じて政府やその関連団体、またビジネスパートナーと連携して活動することも。サッカーを通して、色々な社会問題について若年層に対してメッセージを伝えることができる。学校教育で対応できなかったことについても政府と連携してサッカー界として対応。PLが関与しながらクラブと地域のつながりを強めていける。特に市街地域はドラッグや貧困、栄養不足の問題などが多く、サッカーを通してそれらに対応する活動を行っていくことが重要。将来のファンとなる地元の子供たちがクラブを身近に感じてくれることが重要。週末の試合だけではなく、毎日、クラブをなんらか身近に感じてもらう、クラブと触れ合う状況を創る。 (4)「チャンスを創り出す」というキャッチフレーズのもと サッカーを通じてポジティブなインパクトを与えるため各地域でより多くの人に手を差し伸べられる形を目指している。PL単独で行うのではなく、地元のクラブを経由して行うことが重要。クラブのブランドだけではなく、実際の選手が活動に参加してくれることの子供たちへの効果が絶大。 中にはPLが先頭に立って主導している活動もある。全国レベルで行う場合は政府と連携。地元で行う場合は地元行政と協力して活動。また地域の警察、地域の慈善基金団体などとも協力。基本的には参加してもらって楽しんでもらうことが必要。 (5)4つのテーマ ◆(社会的な一体感)地域社会で阻害、隔離されてしまっている、グループ、軽犯罪者、貧困者、反社会的行為を行う人たちを、サッカーを通して取り込み、新しい機会を提供する。 ◆(健康活動)健康と健全な生活を地元の人たちに - 食生活の改善、メンタルヘルスの改善など。特にこの点に関して、選手が人々に働きかけることの効果が大きい。 ◆(平等)地域の人々に平等に機会を提供。サッカーに触れる機会が普段あまりない女子、障害者、年配の人たちにも。 ◆(生涯学習)教育、特に生涯教育。標準的な教育を受け、スキルを身につけて職に就くためのトレーニング。特に職に就けていない若者達にサッカーコーチ、指導者への道を歩ませるための機会を提供するなど。 43

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