イレブンミリオンプロジェクト欧州視察2008報告書
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Ⅲ-4.プレミアリーグ Jリーグ イレブンミリオンプロジェクト 欧州視察報告(2008年1月実施) 4,000万円)を支出。 ◆フットボールファウンデーション/草の根普及活動 ◆選手協会(PFA、約1,700万ポンド(37億4,000万円)、放映権の5%という取り決め) ◆レフェリー(世界的にも非常にユニークな構成。レフェリーを取りまとめるPGMO(Professional Game Match Officials)という別会社組織があり、そちらへPLから支払い) これらの支出を差し引いた残りの収入を毎シーズン各クラブに分配。降格チームも降格後、2シーズンは分配金を受け取る。下部のフットボールリーグにも連帯のため、毎年資金提供。各クラブへは基本的に均等分配だが、成績などにより多少の差が生じることもある。 2.PGMO (1)質問 Q.組織図中、PGMOとは? Q.レフェリーユニフォームについている広告収入などの処理は? Q.収益源はPL、FAからPGMOに払われるお金と広告収入か? Q.またレフェリーの給料はどこが支払っていか? Q.他にこういう体制をとっている国はあるか。また英国ではいつから導入? Q.この制度をとって正解? (2)フォスター氏回答 プロフェッショナル・ゲーム・マッチ・オフィシャルズの略称で全世界的にもめずらしく(通常は協会が審判団を組織)別の独立した団体が審判を雇用し統括している。この団体はPL、FA、フットボールリーグが所有しお金を出している。ビジネス的に、リーグの運営とは別に審判という機能を他の組織から提供を受けるという考え方をしている。ドイツなどでは試合にどの審判を割り当てるかについて不正があるのではとの疑念が生じていたりするが、イングランドではFAもPLも一切口を出せず、PGMOの責任者が毎週決定している。不公平のない運営にはこのほうが好ましいと考えている。 レフェリーユニフォームについている広告収入は100%直接PGMOに入る。(FIFAはレフェリーが身に着ける広告からの収入は審判のスキル向上費用のみにあてることと規定しているはず)。FAやPLからのお金は審判の報酬に充てられる。こういった仕組みを他国では聞いたことがない。およそ3年前からこの制度を導入。別組織にしたのは正解だったと考えている。UEFAやFIFAは協会が統括すべきだと考えていて、この方式に必ずしもハッピーではないと思われる。PLではリーグ自身が統括した方がいいという考えもあり、誰に対しても公正な立場でジャッジするためには独立した機関を設けた方がという判断がなされた。また審判の質が問われた場合、FAが統括していると問題解決に至りにくい。独立した組織が運営していることにより、FAやPLが第三者として率直に厳しい意見を言える。 毎試合2人の評価者が審判パフォーマンスをモニター。PGMOからは元審判の評価者が毎試合派遣され、PLからは元コーチなどの評価者が派遣され、どちらの報告も同等の重要度を持って扱われる。PL派遣の評価者が(直後は興奮していることがあるので)翌日に当該チームの両監督のレフェリングに対するコメントも同時に聞き取り、PGMOに重みをもってフィードバックされることでクラブ関係者にとっても納得の行く仕組み。このPL派遣評価者によるレポートはクラブ関係者にも渡されるので、自分たちのコメントがどのようにPGMOにフィードバックされたかが分かる。 41

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