イレブンミリオンプロジェクト欧州視察2008報告書
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Ⅲ-2.ウェストハム・ユナイテッドFC Jリーグ イレブンミリオンプロジェクト 欧州視察報告(2008年1月実施) 7.育成システム ウエストハムの選手育成には3段階ある。ひとつは誰でも参加できる学校体育での指導、その次はトレーニングセンターにコーチが出向いて行う中間レベルの指導。そして、アカデミーとしての専門的な指導を行っている。この中にはコーチ・指導者としての育成も含まれている。この育成を通して、自チームの戦力アップとなる優秀な選手を輩出すること、また選手を高額な移籍金により売ることでクラブの経営を潤わせるということもあるが、物心が付いたときからウエストハムに関わっているというクラブへの所属意識を持たせることが最大の利点であろうと思う。 Jクラブでは、スクール生であっても、まだまだクラブ所属意識を高めるまでには至っていない。観客数をあげるために囲い込む必要がある層であることは間違いないので、普段のスクール活動のほか、ホームゲームのあり方、スクール生への選手の接し方などについても考え直す必要がある。 8.試合観戦記 スタジアム内のオフィシャルショップには、なぜかタオルマフラーが販売されていない。駅からスタジアムまでの動線上にある露店でのみ販売していた。 レストランルーム 観客はすべてが指定席であるということからか、試合開始30分前ではまだ1/5程度しかスタンドが埋まっていない状況。選手がピッチ内でウォーミングアップをしているときもスタジアム内には音楽がただ流れているだけで一切アナウンスや選手紹介はない。 試合開始5分前にアナウンスとともにサポーターがスタンディングオベーション。そしてチームの応援ソングらしきものを合唱する中、選手が入場してきた。選手紹介は両チームの挨拶後に「AWAY→ HOME」の順で速やかに行われた。 応援は基本的に手拍子と歌のみ。鳴り物は一切なかった。観客はハンドリングやその他の反則について、過敏に反応していた。サッカー観戦がはじめての人でも、イングランドの観客の反応はわかりやすいと思う。 34

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