イレブンミリオンプロジェクト欧州視察2008報告書
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Ⅱ-2.CAオサスナ Jリーグ イレブンミリオンプロジェクト 欧州視察報告(2008年1月実施) 12 であること、学業優秀であること等、条件が厳しい。 指導者は選手たちの学校の成績を把握している・・・成績が下がると指導。頻繁に学校と連絡をとりあう。たえずいろいろな人間関係・社会関係を築き、その中で選手を育てていく。 下部組織の選手はトップチームの全試合を無料観戦できる。その他、地元の学校に無料招待券1,200枚を配布。 下部組織の選手は、加入後1年間は様子を見るが、成長段階における体型的な問題などを踏まえ、2年目以降は何歳であっても(たとえ8歳でも)、クラブがプロになれるかどうかを判断して通告。→別の提携クラブを紹介。もちろん両親からの反発は大きいが、中には再び奮起して成長してオサスナに戻ってくる選手もいる。親が自分の子供にあまりに大きな期待をかけすぎるという問題は、スペインにも存在する。 2部、3部の選手は、トップチームの監督が練習や試合を見に来て、目に留まれば上のチームの練習に呼ぶ。トップチームは25名程度しかいないので、けが人が出ればすぐ下部組織から呼ばれる。 ナバーラの子供たちの特性は忍耐強さ。スペインの年代別代表チームの監督が必ず言う「チームに1人はナバーラの選手が必要。」(なぜなら、ナバーラの子供には、自分を犠牲にしてチームのために忍耐強く、一生懸命頑張る子が多い) 〈コレラ氏の指導哲学〉 ・施設:贅沢すぎないこと。→練習のために必要 なものがあればそれで十分。 ・適切な指導方法:年代にあった指導。 →ノウハウを確立。 ・オサスナというクラブに対し、地域の人々に 愛着・郷土心を持ってもらうこと。 「私は32年間教師として子供たちをずっと教えてきた。これが私の基礎。子供たちがサッカーをすることも人間形成。サッカーをすることによって自分自身を鍛えていく。自分がオサスナに呼ばれたことも、子供たちを教育するということが最大の理由ではないか。だから私にとってのサッカーは教育であり、ここにいる子供たちが練習時間に遅れずにやってくること、練習を一生懸命やること、合宿先で人に迷惑をかけず、集団の中でみんなとうまくやっていくこと。」 (3)クラブ収支について 年間収入:2,300万ユーロ(36億8,000万円)。うち、35%が入場料(ソシオ)、45%がTV放映権料、20%が広告・スポンサー料。 年間支出:80%がトップ経費、10%が施設・育成費用、10%が職員人件費ほか。 カテゴリー オサスナ 1部 1チーム 24名 12→名がオサスナ下部組織出身 プロ 2部A 1チーム セミプロ 2部B 成人 AFICIONADOS 3部A JUVENIR 16-18才CADETE 14-15才INFANTIL 12-13才AVEVIN 10-11才各2チームBENJAMIN 8-9才 1チーム 12才 カンテラ (U-18) 女子 14才 各1チーム合計11チーム280名 約90%がパンプローナ、およびその周辺都市(100km以内)出身。現在スペイン国内では、育成段階の選手に住所変更をさせて獲得することが禁じられている。(国外からの移住は例外)

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