イレブンミリオンプロジェクト欧州視察2008報告書
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Ⅱ-2.CAオサスナ Jリーグ イレブンミリオンプロジェクト 欧州視察報告(2008年1月実施) 11 トップから女子まで全員のシューズが保管できるコンパクトに工夫されたスパイク棚は圧巻。全体的に派手さはないが、必要なものが揃っているという印象。コレラ氏曰く「もう一度練習場を作るとしたら、これと全く同じものを作る。」 「トップチームから女子チームまで、スタッフ全員が同じロッカールームを使うこと」がオサスナの哲学。常に会話をして連絡を密にすることで、同じ情報・同じ考え方を共有できる。 この施設を地元クラブの練習に貸すことはあるが、地元の子供たちのためのサッカー教室などを行うことはない。 今後、既存の施設の外側に15万㎡の土地を購入し、グラウンド12面を新設する予定。(費用は不明。人工芝グラウンド1面を作るのに約60万ユーロ(9,600万円) もともとクラブが保有していた工業用地を売却し、現在の施設に隣接した土地を新たに購入した。地元の有力者との良好な関係が後押し。 オサスナはビッグクラブと異なり、他クラブから選手を買って補強する余裕がないため、下部組織から優秀な選手を育てるしかない。いい選手を育てる条件・・「才能のある子供を見つける」「いい指導者を見つける」「的確な指導を与える」「幸運をつかむ。そして、その幸運を逃さない」「優秀な選手を他クラブに取られない」。 (2)下部組織(カンテラ)について 下部組織の子供およびその保護者とクラブとの間に月謝を含めた金銭の授受は一切なし。 練習時間(グラウンド利用時間)は、月火木曜日が18:30から。水金曜日は17:00と18:30の2シフト。土日はゲーム。練習に来るのは、保護者or専用バスによる送迎。専用バスは2台あり、周辺を40分程度で1周する。 寮施設やクラブ施設の中での食事提供はない。ただし外部の栄養士に委託し、選手への栄養療法・食事指導は行っている。(数年以内にクラブ専任の栄養士を入れる予定) 過去、いくつかのクラブが子供たちのための寮を作ったがスペインでは全般的に失敗。ナバーラ州の大学の寄宿舎に入ることは可能だが、品行方正シューズ倉庫コーチロッカー増設整備計画

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