Ⅵ-1.ボルドー Jリーグ欧州スタジアム視察2017 報告書 (2017年10月28日~11月5日) 90 (27億3,360万円+5億2,622万円) ・VINCI社/FAYAT社 (いずれも総合建設会社):€1億1,400万 (155億8,152万円) (※€1=136.68円) (2)スタジアムの所有・運営 スタジアムは土地・建物ともにボルドー市が所有しており、運営はSBA(スタッド・ボルドー・アトランティック)というSPC(特別目的会社)が運営している。これは、VINCI社とFAYAT社の共同事業体である。クラブはテナント料として年間€400万(5億3,740万円)を支払って使用し、運営会社は年間€800万(10億7,480万円)をボルドー市に納めている。 現状の収支は赤字となっており、原因としては当初見込んでいたサッカー以外のイベントが開催できていないことなどが挙げられるとのこと。 (3)立地 ボルドーの北側地区、市内中心部から約6km、環状道路のすぐ北側に位置している。 (4)交通手段 スタジアムには周辺含めて約8,500台もの駐車スペースを設けており、車でのアクセス対応が充実している。スタジアムへの公共交通機関によるアクセスは、鉄道やトラムが利用可能で、市内中心部からの所要時間は30分程度かかる。 4.スタジアムの構成について (1)幻想的でシンボリックな外観 スタジアムは周りがのどかで周辺に建物が少ないこともあり、遠くからでもそのシンボリックな姿を見ることができる。無数のスレンダーかつしなやかな柱の群により構成された建物は、神殿のような荘厳さと衣のような繊細さを兼ね備えた幻想的な外観となっている。 (2)スタジアムの構成 メイン・バックスタンドの基壇部に設けられた大階段で観客を4階のコンコースまで直線的に誘引可能な構成となっており、非常にシンプル。また、原始的なアプローチ構成ともいえる。 スタンドは2層構成でコンコースは外気に面したオープンな空間を4周回遊でき、コンコースに沿って売店やトイレが均等に配置されたシンプルかつ合理的な平面計画となっている。(アウェイサポーターとのセキュリティ区画はあり) 無数の列柱による幻想的な外観 2層式スタンドで構成されたスタジアム内部 ライトアップされたスタジアム ©Iwan Baan
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