Jリーグ欧州スタジアム視察2017
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Ⅴ-1.アーネム Jリーグ欧州スタジアム視察2017 報告書 (2017年10月28日~11月5日) 81 このスタジアムは全てインナーコンコース化されており、寒冷地における対策が為されている。ビジネスエリアに向かうエスカレーターなどを含め、多目的利用を想定したホスピタリティが確保されていることが特長である。 (5)選手目線の高さで観戦できる ゼロタッチ スタンドはピッチとゼロタッチとなっており、選手の目線と同じ高さで観戦することが可能である。日本では唯一、ミクニワールドスタジアム北九州がゼロタッチを実現しているが、それでも高低差は65cmある。ヘルレドームでは完全に高低差ゼロを実現しており、さらに観客席からピッチまでの距離も近いため、臨場感のあるスタジアムとなっている。 (6)ハイブリッド芝の導入 ヘルレドームの芝は2015年9月よりハイブリッド芝(XtraGrass)を導入しており、これはレッズランドと同仕様のものである。人口芝の割合は7~10%となっている。XtraGrassの特徴としては、繊維を編み込んだ基布をベースに人工芝のパイルの中に充塡材と芝の種子や苗を擦り込み、人工芝と天然芝を一体化している。メリットとしては、「強度」「フラット」「透水性」が挙げられる。英国のリコーアリーナやカッサムスタジアムでも導入されている。 ヘルレドームの場合は、ドバイで製造された人工芝を国内に運び、30mx2.4mのロールを製作し、農場で天然芝を育ててから、スタジアムまで運んでいる。芝の長さは人工芝・天然芝ともに3cmに設定している。完成された状態で運んでいるため、試合開催の10日前に芝を敷設し、すぐにプレーすることが可能である。(レイアンドプレイシステム) 西側メインスタンド ゼロタッチのメインスタンド ハイブリッド芝のサンプル 北側スタンド/青の柵がアウェイ、緑の柵がウルトラス用

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