Jリーグ欧州スタジアム視察2017
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Ⅳ-5.デュッセルドルフ Jリーグ欧州スタジアム視察2017 報告書 (2017年10月28日~11月5日) 66 を配置しており、人が入らなくても空席感(ガラガラ感)が出ない工夫がされている。 (2)サッカースタジアムとしての特徴 ①芝の管理について 芝は天然芝であり、実際の管理はデュッセルドルフ市のスポーツ局が行っている(練習場も含めて)。運営会社とクラブとの契約で年2~3回は張り替えてもらえる。芝の張り替えには1回約2,000万円かかる。小さなロールを敷いていく方式で、時間としては48時間で試合の実施が可能。コンサート等のイベント時には芝生の養生材(スノコのようなもの)を敷き詰めるが、芝生が傷むケースでは、イベントの興行主が費用を負担する。 また、芝生下にはヒーティングが入っている。天井にも小さなライト状のヒーターがついていて、冬でも屋根を閉めればピッチ内を15度程度に保つことができる。 ピッチ横の4つのマラソンゲート横の通気口が、芝生のための大きな通風口の役割を担っている。 芝生の養生のため、ピッチ上で何台もの大型送風機を回すこともある。 ②ケータリング形態 ビジネスラウンジ等のケータリングから場内飲食売店まで、飲食サービスはアラマックというケータリング会社がスタジアムと独占契約して入っている。(ただし元選手が経営しているポップコーンの売店のみ別) キッチン機能はスタジアム内(ビジネスラウンジ奥)にある。 飲食売店の売上に関する収入はクラブ側にはない。(スタジアム側には手数料が入ると思われる) また、売店にはキャッシュレスシステムは未導入。 ※昨シーズン、ブンデスリーガでキャッシュレスカードの運用会社が倒産し、返金問題が発生した。(アイントラハト・フランクフルト、ヘルタ・ベルリン、アウクスブルク、カイザースラウテルン、ディナモ・ドレスデンなどの本拠地で使われていたカード「Justpay」を発行していたペイメント・ソリューション社が、2017年5月破産) 試合時は開門がキックオフ90分前であることと、スタジアム周辺に飲食店が少ないこともあり、一般の来場客はキックオフ3時間ぐらい前から市内で飲食を楽しんだ後で来る方が多い。 ③ファンショップ スタジアム内にファンショップはあるが試合時のみ営業。またコンコースやビジネスラウンジでも小規模なグッズ販売コーナーを設ける。 カラフルな座席 コンコース内の売店 マラソンゲート横に通気口

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