Jリーグ欧州スタジアム視察2017
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Ⅳ-5.デュッセルドルフ Jリーグ欧州スタジアム視察2017 報告書 (2017年10月28日~11月5日) 59 さらに、クラブとしては、バックスタンド側ラウンジを北欧の家具メーカーBo Conceptのショールーム化することによる空間的魅力付けを行い、ビジネス利用を促すなど企画を立案したり、その他VIPルームの観客などを、スタジアム側へ紹介するなどスタジアム運営会社へのメリットを提供することで、徐々にスタジアム運営にも関わるようになってきている。その結果、スタジアムの次期ネーミングライツの販売に参加する権利も付与されることとなった。 ※ネーミングライツは、スタジアム開業時はLTUインターナショナル(ドイツの航空会社)が持っていたが、2009年よりEspritホールディング(香港のアパレル企業)が取得(2019年までの契約)。ただEsprit社より2017年で解約の希望があり、スタジアム運営会社と係争があった。 (4)試合時の販売について 試合日は朝から夜までクラブが1日中スタジアムを借り切るイメージ。ただし、セキュリティ部分はクルー社、ケータリング部分はアラマック社がスタジアム運営会社より委託を受けている形。クラブ側としては必要最低限なリソースで試合運営が行える=ローリスク(ローリターン)であることを良しとしている。 よって試合時のチケットの販売はクラブが行い、クラブからスタジアム運営会社に使用料を支払う方式。 なお、飲食売店の売上は、一切クラブには入らない。 年間シートは13,500席となっている。1部時代は31,500席(平均入場者数46,000人の頃)販売していた。 1部時代はビジネスラウンジ(メインスタンド側・バックスタンド側)が足りず、ウェイティングリストができた。そのため第3のラウンジとしてホテル部分を借りたが、それでも足りなかったため、ビジターゴール裏スタンド側にテントで仮設のラウンジを作り(観戦は一般の席)、やや価格を下げて4つ目のラウンジとして売り出してもいた(ビッグゲームではこれも完売)。 現在、ビジネスラウンジは、スポンサーと年間シートの購入者の利用を中心に、稼働率70~80%程度となっている。 ビジネスラウンジおよびVIPルームでは、試合前後2時間ビュッフェ形式の食事、飲み物付で利用が可能。 またビジネスラウンジおよびVIPルームの利用者は、スタジアム内の駐車場を利用することができる。 飲み物はラウンジ内ではガラス製のコップを利用するが、観戦席ではプラスチック製もしくは紙コップを利用する。 ビジネスラウンジのオープンスペースでは、クラブ側が仲介となって企業間の交流(ビジネスマッチング)をBo Conceptのショールームのようなラウンジ ビジネスラウンジ

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